ChatGPTにiCloudメールを接続|仕事のメールか先に見る
ChatGPTに、iCloudのメールとカレンダーをつなげられるようになりました。無料を含む全プランが対象で、メールを探す、受信箱をまとめる、予定を確かめて書き換える、といったことを頼めます。
社長個人のiPhoneのメールで仕事を回している会社には、すぐ使える機能です。ただ、そのメールには取引先やお客様の情報が入っています。
つなぐ前に、そのメールが仕事用かどうかを見て、やめ方まで確かめておきます。
小さな会社では、社長のiPhoneに届くメールとカレンダーで、仕事が回っていることがよくあります。会社のドメインのメールはあっても、取引先とのやり取りは昔からの個人アドレスのまま。予定もiPhoneのカレンダーに入っている。そういう会社は珍しくありません。
そのメールとカレンダーを、ChatGPTから直接読めるようになりました。
今日やること 自分のiCloudのメールに、仕事のメールがどれだけ入っているかを見てください。取引先やお客様とのやり取りが入っているなら、つなぐのは、会社として入れていい情報の線を決めてからにします。 何もしなくていい人 iCloudのメールを使っていない会社や、仕事のメールを会社のアカウントにまとめている会社です。今回の機能は、iCloudのメールとカレンダーだけが対象です。
何が起きたか
OpenAIのChatGPTのリリースノートと接続アプリの説明によると、要点は次のとおりです。
- 10月27日から、iCloudのメールとカレンダーをChatGPTにつなげられる。メールを探す、受信箱をまとめて把握する、予定を確かめる、予定を書き換える、といったことを頼める
- ChatGPTの全プランが対象。Web、デスクトップアプリ、iPhoneのアプリで使える
- メールとカレンダーは別々につなぐ。どちらも、連絡先を読み取る機能を含む
- つなぐときは、Appleの「アプリ用パスワード」を使う
- 会社向けのChatGPT Businessでは、多くの接続アプリが最初から使える状態になっていて、管理者が変えられる
中小企業にとって何が変わるか
社長のiPhoneで回している会社ほど、すぐ使えて、すぐ広がる
「今週、返していないメールはどれか」「来週の空いている時間はいつか」。こうした確認を、メールアプリとカレンダーを行き来せずに頼めます。受信箱が散らかっている人ほど、便利に感じるはずです。
ただ、つなぐのは社長個人のアカウントでも、中に入っているのは会社の情報です。取引先の見積もり、お客様の住所や電話番号、従業員とのやり取り。ChatGPTに貼るかどうかを1通ずつ選んでいたものが、受信箱ごと読める状態になります。
社内のルールで「顧客の情報はAIに入れない」と決めている会社なら、その線と今回の機能がぶつかります。決めていない会社なら、決めるきっかけにしてください。
アプリ用パスワードは、渡した鍵の控えになる
Appleのサポート記事では、アプリ用パスワードでサインインすると、そのアプリからiCloudのメール、連絡先、カレンダーなどにアクセスできると説明しています。本来のパスワードを渡さずに済む仕組みですが、渡した先が中を見られることに変わりはありません。
大事なのは、やめ方が2つあることです。
- ChatGPT側で接続を切る(設定のプラグインから外す)
- Apple側でアプリ用パスワードを消す(account.apple.comの「サインインとセキュリティ」から消す。消すと、そのアプリはサインアウトする)
社員が自分のiCloudをつないだまま辞めた場合、会社からは切れません。本人に切ってもらうしかありません。会社の情報が個人の受信箱に流れている会社ほど、ここが効いてきます。AIに見せない道具の話は、AIにパスワードを見せない1Password|会社用は対象外でも書きました。個人のアカウントに会社の情報を載せない、という考え方は同じです。
カレンダーは「読む」だけでなく「書き換える」
今回の機能では、予定を確かめるだけでなく、書き換えることもできます。
ChatGPTの接続アプリには、どこまで確認を求めるかの設定があります。毎回確認する、読むだけなら確認しない、軽い操作なら確認しない、すべて確認しない、の4段階です。OpenAIは、すべて確認しない設定について、確認なしで操作が進むので危険が大きいと書いています。
最初は「毎回確認」で使ってください。取引先との打ち合わせが、気づかないうちに動いていた。これがいちばん困る事故です。
当てはまるかどうかを分ける
| 自社の状況 | 今回の件でやること |
|---|---|
| iCloudのメールを仕事に使っていない | 何もしなくてよい |
| 社長のiCloudに取引先やお客様のメールが入っている | つなぐ前に、入れていい情報の線を決める |
| 社員が個人のiPhoneで仕事のメールを受けている | 個人の判断でつながれる前に、会社の方針を伝える |
| ChatGPT Businessを会社で契約している | 管理画面のプラグインで、iCloudを使える状態にするかを決める |
よくある誤解:「毎回確認にすれば、AIが見られる範囲も狭くなる」
「毎回確認」にしておけば安心だと思いがちです。ただ、OpenAIの説明では、この設定は、ChatGPTがいつ確認を求めるかを変えるだけです。つないだ時点で渡したアクセスは、設定を変えても狭くなりません。
AIに見せたくないメールがあるなら、確認の設定ではなく、つなぐかどうかで決めます。見せないためにできるのは、接続を切ることだけです。
もう1つ、接続アプリの設定は、会話を学習に使うかどうかの設定とは別になっています。接続の設定を絞っても、学習の設定は変わりません。両方を別々に確かめてください。
いま何をすべきか
- 自分のiCloudのメールを見る。取引先やお客様とのやり取りが入っているかを確かめます
- 入っているなら、入れていい情報の線を先に決める。決めるまではつなぎません
- つなぐなら、社長1人で試す。カレンダーは「毎回確認」で使います
- やめ方を先に確かめる。ChatGPT側で切る、Apple側でアプリ用パスワードを消す。この2つを、つなぐ前に一度見ておきます
- ChatGPT Businessを使っているなら、管理画面を見る。iCloudを使える状態にするかを、会社として決めます
AIにメールを読ませたかどうかに意味はありません。受信箱を開いて探していた時間が、どれだけ減ったか。見るのはそこだけです。
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