国産PLaMoに調査AI|出典が付いても確かめる場所は残る
PFNが、国産AI「PLaMo 3.1 Prime」に、テーマを渡すと自分で調べて出典付きのレポートにまとめる機能を載せました。11月30日までは、PLaMo Chatで1日2回まで無料で試せます。
中小企業にとっての意味は、取引先や競合、補助金の下調べのような「調べてまとめる仕事」を、AIに下書きさせやすくなったことです。
ただし、出典が付いていても、その出典に本当にそう書いてあるかは別の話です。試す前に、レポートのどこを確かめるかを先に決めておきます。
新しい取引先の会社概要、競合の価格、使えそうな補助金。こうした下調べは、検索してページを開き、メモを取り、まとめ直すだけで半日がかりになります。誰かの仕事として決まっていないので、たいてい社長か、手の空いた人が夜にやっています。
この「調べてまとめる」仕事を任せられる機能が、国産のAIにも載りました。
今日やること 最近、社内で誰かが調べてまとめた仕事を1つ思い出してください。それをテーマに、無料の期間中にPLaMo Chatで1回だけ調べさせます。出てきたレポートは、自分たちが前に調べた結果と並べて見比べます。 何もしなくていい人 調べ物をほとんどしない会社や、すでに別のAIで調べ物を任せて回っている会社です。乗り換える理由になる発表ではありません。
何が起きたか
Preferred Networks(PFN)の発表によると、要点は次のとおりです。
- 国内で一から開発しているAI「PLaMo」の最上位モデル「PLaMo 3.1 Prime」を、10月27日から提供する
- 新しく「Deep Research」を載せた。調査テーマを入れると、調査の計画を立て、Webで情報を集めて整理し、出典付きのレポートにまとめるところまでを、数分〜数十分で自分で進める
- 知らないことを推測で答えず「知らない」と答えるよう学習を見直し、誤った答えに関わる8つの評価で、前のモデルより平均約15%点数が上がった
- 社内のサーバーに置いて使う形(オンプレミス)でも、Deep Researchを使える
- 開発者向けのAPIに、利用上限付きの無料プランを用意した。有料プランは100万トークンあたり入力60円・出力250円
- チャット画面のPLaMo Chatでは、11月30日まで、Deep Researchを1日2回まで無料で使える
中小企業にとって何が変わるか
「調べてまとめる」が、下書きとして頼める仕事になる
PFNは、担当者が数時間から数日かけていた調査を効率化できると説明しています。例に挙げているのは、市場や競合の調査、技術の動向をつかむことです。
中小企業に置きかえると、取引先の下調べ、仕入れ先の候補探し、同業の値付けの確認、補助金や制度の要件の確認あたりが当てはまります。どれも決まった担当がいないまま、誰かが時間を割いている仕事です。
ここで大事なのは、AIが出すのは結論ではなく下書きだということです。調べる時間は減ります。ただ、レポートを読んで、使えるかを決める時間は残ります。減った時間から読む時間を引いて、それでも得をする仕事だけを任せます。
同じ下調べを、自分たちの結果と比べられる
ふだんAIを使っていない会社にとって、1日2回まで無料で試せるのはちょうどよい機会です。
試し方は1つだけです。前に社内で調べたことがあるテーマを選んでください。答えが分かっているので、AIのレポートが合っているか、抜けているところはどこかを、その場で見比べられます。初めて調べるテーマで試すと、合っているかどうかを確かめる材料がありません。
社内のサーバーに置く使い方は、中小企業向けではない
オンプレミスで社内文書と組み合わせて調べられる、という点も発表の目玉です。ただ、これは企業ごとの個別見積もりで、社内に専用の設備を置く前提の話です。
外に出せない資料を抱えている会社が、国産AIをどう考えればよいかは、国産AIが無料で公開|使うかを決めるのはデータの置き場所で書きました。国産であることと、データを外に出さないことは別の話です。チャット画面で試すときは、ほかのAIと同じく、社外秘の資料は入れずに、公開されている情報で調べさせてください。
当てはまるかどうかを分ける
| 自社の状況 | 今回の件でやること |
|---|---|
| 調べ物をほとんどしない | 何もしなくてよい |
| 下調べを社長や特定の人が抱えている | 前に調べたテーマで1回試し、結果を見比べる |
| すでに別のAIで調べ物を任せている | 乗り換えは考えなくてよい。同じテーマで比べる程度でよい |
| 外に出せない資料を使って調べたい | チャット画面では試さない。データの置き場所から考える |
よくある誤解:「出典が付いていれば、正しい」
出典付きのレポートは、それだけで信用できそうに見えます。リンクが並んでいると、確かめたような気分になります。
ただ、出典が付いていることと、その出典にそう書いてあることは別です。AIはページの一部を読み違えたり、古いページを拾ったり、別のページの数字を混ぜたりします。PFNも誤った答えが減ったと説明していますが、なくなったとは言っていません。
だからといって、レポートの全部を確かめ直していたら、AIに任せた意味がなくなります。確かめる場所を先に決めておきます。社外に出す数字、会社名や制度名、日付の3つです。この3つだけは、付いている出典を自分で開いて、そう書いてあるかを見ます。それ以外の部分は、考える材料として読めば足ります。
いま何をすべきか
- 最近、社内で調べてまとめた仕事を1つ選ぶ。答えがもう分かっているテーマにします
- 11月30日までに、PLaMo Chatで1回調べさせる。社外秘の情報は入れず、公開されている情報だけで調べさせます
- 前の自分たちの結果と並べて見る。合っているところ、抜けているところ、間違っているところを分けます
- 確かめる場所を決める。数字、会社名や制度名、日付の3つです。ここだけは出典を開きます
- 使い続けるかは、減った時間で決める。調べる時間が減っても、読む時間が増えたなら得はしていません
調べ物をAIに任せたかどうかに意味はありません。下調べに取られていた夜の時間が、どれだけ減ったか。見るのはそこだけです。
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試す前に社内で決めておくことは、生成AIの社内ルールは3つで足りる|急ぐ義務はまだないにまとめました。入れていい情報の線引き、出てきたものを誰が確認するか、使っていいツールを1つに絞る、の3つです。新しいAIを試すたびに、この3つに当てはめれば迷いません。
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