ChatGPTがChromeのタブを操作|許可は1回ずつ選ぶ
ChatGPTのブラウザ拡張機能が更新され、開いているタブを読んで答えたり、ログインしているサイトの上で操作したりできるようになりました。
拡張機能は社員が自分で入れられます。入れるときの権限は広く、そのあと何を触らせるかは、サイトごとの許可の選び方で決まります。
先に決めるのは、「すべてのサイトで許可」を選ばないことと、ネットバンキングや会計のように触らせないサイトの一覧です。
ChatGPTのブラウザ拡張機能が新しくなりました。開いているタブの中身を読んで答えるだけでなく、ログインしているサイトの上で、メッセージを送ったりフォームを埋めたりする作業も任せられます。
便利な機能です。ただ、拡張機能は会社の情報システム担当が配るものではなく、社員が自分のパソコンに自分で入れられるものです。そして、何を触らせるかは、使うたびに出てくる「許可」の選び方でほぼ決まります。小さな会社が先に決めておくべきなのは、この選び方です。
今日やること ChatGPTを仕事で使っている社員に、「サイトの許可を聞かれたら『すべてのサイトで許可』は選ばない」と一言伝えてください。あわせて、ネットバンキング・会計・給与のように、AIに触らせないサイトを3つ程度、名前で書き出しておきます。 何もしなくていい人 ChatGPTのパソコン用アプリもブラウザ拡張機能も使っていない会社です。ブラウザでChatGPTの画面を開いて質問しているだけなら、今回の更新で何かが変わることはありません。
何が起きたか
ChatGPTの公式アカウントが2026年10月15日に、Chromeの拡張機能の更新を発表しました。拡張機能の横に出る画面から、開いている複数のタブの中身をまとめて読ませて質問できます。パソコン用アプリの「Work」から頼めば、タブの上で操作もさせられます。
OpenAIの公式ドキュメント(Browser extension)によると、対応しているのはChrome、Edge、Brave、Opera、Vivaldiです。ChatGPTは、すでにログインしているサイトで読んだり操作したりでき、例としてGmailやSalesforce、社内のツールが挙げられています。
中小企業にとって何が変わるか
ログインしたままのサイトを、AIが使える
これまでChatGPTに仕事を頼むときは、必要な文章を自分でコピーして貼り付けていました。何を渡すかを、人が1回ずつ選んでいたわけです。
拡張機能では、その手間がなくなります。社員がふだんログインしているメール、顧客管理、受発注の画面を、ChatGPTがそのまま開いて読めます。渡す情報を人が選ぶ場面が減る、というのが今回のいちばん大きな変化です。
入れるときに求められる権限は広い
公式ドキュメントには、インストールのときにChromeが表示する権限の例が並んでいます。「すべてのウェブサイト上にある自分の全データの読み取りと変更」「ログインしているすべての端末の閲覧履歴の読み取りと変更」「ダウンロードの管理」などです。
ドキュメントは、これらはブラウザでの作業をこなすための権限で、実際にサイトを使う前には、ChatGPT側の確認や許可の設定が別に働く、と説明しています。つまり、入れた時点で何でもできる状態にはなりますが、どこまで触らせるかは、そのあとの許可で絞ります。
許可の選び方は4つある
ChatGPTが初めてのサイトを使おうとすると、許可を求めてきます。選べるのは次の4つです。
- 1回だけ許可:そのサイトを今回だけ使わせる
- このサイトは許可:次からは聞かずに使わせる
- すべてのサイトで許可:どのサイトでも聞かずに使わせる
- 拒否:そのサイトを使わせない
ドキュメントでは、「すべてのサイトで許可」と、閲覧履歴を使わせることの2つに、リスクが高いという印が付いています。閲覧履歴には、社内のURLや検索した言葉が含まれるからです。閲覧履歴については、毎回確認が出て、ずっと許可する選択肢はそもそも用意されていません。
パソコン用アプリの設定には、聞かずに使わせるサイトの一覧と、使わせないサイトの一覧を管理する画面もあります。
うちは当てはまるか
| いまの状況 | 当てはまるか | 考えること |
|---|---|---|
| ChatGPTをブラウザで開いて質問しているだけ | 当てはまらない | 何もしなくていい |
| パソコン用アプリは入れたが、拡張機能は入れていない | まだ当てはまらない | 入れる前に、下の行を読んでおく |
| 社員が拡張機能を自分で入れている | 当てはまる | 許可の選び方を一言伝え、触らせないサイトを決める |
| 1台のパソコンで、ネットバンキングや給与の画面にログインしたままにしている | 強く当てはまる | そのサイトは「使わせないサイト」の一覧に入れる |
| ChatGPTの法人向けプランを、管理者を置いて使っている | 当てはまる | ドキュメントには、使えるかどうかはワークスペースの設定でも変わるとある。管理画面を一度開いて確かめる |
よくある誤解:「入れるだけなら安全」
拡張機能は、入れただけでは何も起きません。頼んだときに動き、初めてのサイトでは許可を求めてきます。ここまでは安心材料です。
ただ、許可の画面は、作業の途中で何度も出てきます。急いでいるときに毎回「1回だけ」を押すのは面倒で、2回目、3回目には「すべてのサイトで許可」を押したくなります。一度押せば、もう聞かれません。危ないのは入れた瞬間ではなく、この面倒になった瞬間です。
もう1つ、公式ドキュメントは、ページの中身を信頼できない情報として扱い、続けさせる前にそのサイトを確かめるよう注意しています。ChatGPTが読むページに、AI向けの指示がこっそり書かれていることがあるからです。触らせるサイトが増えるほど、そういうページに当たる機会も増えます。
いま何をすべきか
社員に「すべてのサイトで許可は選ばない」と伝え、触らせないサイトを名前で書き出すこと。今日はこの2つで足ります。
触らせないサイトは、お金が動くところから選びます。ネットバンキング、会計、給与、取引先への発注画面です。書き出した名前は、使う人のパソコンの「使わせないサイト」の一覧に入れておくと、本人がうっかり許可することも防げます。
逆に、社外に公開されている情報を調べるだけのサイトは、「このサイトは許可」で構いません。全部を禁止すると、結局だれも使わなくなります。お金と個人情報が絡むところだけ線を引けば、残りは便利に使えます。
公式ドキュメントも、パスワードのような秘密の情報や、とても機微な情報は、本当に必要で、人がその場で1つずつ確かめられるとき以外は、ブラウザの作業に通さないよう勧めています。
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