ChatGPTのファイルは消えずに残る|先に開くのはライブラリ
ChatGPTに上げたファイルや、ChatGPTが作ったファイルは「ライブラリ」に自動で保存されます。チャットを消しても、ファイルは消えません。
OpenAIはこの説明を更新し、社内での共有やGoogleドライブとの連携も書き加えました。
まずやるのは、ライブラリを開いて、これまで上げたファイルを一度見ることです。
ChatGPTに見積書やExcelの表を上げて、「この数字をまとめて」と頼んだことのある方は多いはずです。そのファイルは、頼み終わったあともChatGPTの中に残っています。OpenAIはファイルの保管場所である「ライブラリ」の説明を更新し、チャットを消してもファイルは消えないことをあらためて明記しました。従業員20人の会社にとって大事なのは、新しい機能を使うかどうかより、これまで社員が何を上げてきたかです。
今日やること 1つだけです。ChatGPTの左側にある「ライブラリ」を開き、これまで上げたファイルを一度見る。取引先の名前が入った書類や顧客の一覧が並んでいたら、要るものだけ残して消します。何も無ければ、それで終わりです。
何が起きたか
OpenAIは、ChatGPTのヘルプページ「Using Library to manage files in ChatGPT」を10月に更新しました(OpenAI ヘルプセンター:Using Library to manage files in ChatGPT)。書かれている要点は次のとおりです。
- チャットに上げたファイルと、ChatGPTが作ったファイルは、ライブラリに自動で保存される
- ファイルは自分で消すまで残る。ファイルが入ったチャットを消しても、ライブラリのファイルは消えない
- 無料版を含むすべてのプランで使える。保存できる容量は、無料版が500MB、Plusと法人向けのBusinessが20GBまで
- 共有に対応している環境では、ファイルやフォルダを特定の人や社内(ワークスペース)全体に共有できる
- Googleドライブをつなぐと、ドライブのファイルもライブラリから選べる
10月1日のリリースノートでは、買い物の候補をライブラリにフォルダ分けして保存できるようになったことも案内されています(OpenAI ヘルプセンター:ChatGPT — Release Notes)。ライブラリは、ファイルや保存したものをまとめて置く場所として、扱う範囲が広がっています。
中小企業にとって何が変わるか
よくある誤解:「チャットを消せば、上げたファイルも消える」
いちばん読み違えやすいのはここです。
社員の中には、「顧客の名前が入った表を上げたけれど、終わったらチャットごと消しているから大丈夫」と考えている人がいるはずです。ヘルプページの説明では、そうなりません。チャットを消しても、そこで上げたファイルはライブラリに残ります。消すには、ライブラリでファイルを選んで、別に消す必要があります。
消したあとも、すぐに無くなるわけではありません。ライブラリに「最近削除した項目」がある場合はそこから戻せ、OpenAIのシステムから完全に消えるのは30日以内とされています(OpenAI ヘルプセンター:Using Library to manage files in ChatGPT)。法律やセキュリティの理由で、もっと長く残す場合があるとも書かれています。
例外は「一時チャット」です。一時チャットで上げたファイルは、アカウントにもライブラリにも保存されません。
「ファイルが残る」ことの良い面と、困る面
ファイルが残るのは悪いことばかりではありません。先月使った見積書のひな形を、もう一度上げ直さずに呼び出せます。毎月同じ表を渡している仕事なら、手間が減ります。
困るのは、残っていることを本人が知らない場合です。上げた本人が忘れていても、ファイルはアカウントに残り続けます。パソコンを共用していたり、同じアカウントを何人かで使い回していたりすると、ほかの人がそのファイルを開けてしまいます。
個人向けのプランでは、「すべての人のためにモデルを改善する」の設定がオンになっていると、上げたファイルがモデルの改善に使われることがあるとも書かれています。この設定は、設定画面の「データ コントロール」でいつでもオフにできます。
うちは当てはまるのか
| いまの状況 | 今回の件は |
|---|---|
| ChatGPTにはファイルを上げず、文章だけで使っている | ほぼ関係ありません。いまのまま続けます |
| 社員が個人のアカウントで、仕事のファイルを上げている | 当てはまります。本人にライブラリを開いてもらい、何が残っているかを見てもらいます |
| 1つのアカウントを何人かで使い回している | 強く当てはまります。上げたファイルは全員から見えます |
| 法人向けのBusinessで、全員に個別のアカウントを配っている | 当てはまります。社内全体への共有をどう使うかを決めておきます |
小さな会社ほど、2行目と3行目に当てはまります。法人契約をせず、社員が自分で登録したアカウントで仕事のファイルを扱っている会社は多くあります。その場合、会社からはライブラリの中身が見えません。見られるのは本人だけなので、本人に開いてもらうしかありません。
いま何をすべきか
ライブラリを開いて、上げたファイルを一度見る
手順は短く済みます。
- ブラウザでChatGPTを開き、左側の一覧から「ライブラリ」を選ぶ
- 絞り込みで、ChatGPTが作ったファイルではなく、自分で上げたファイルだけを並べる
- 取引先や顧客の名前が入ったもので、もう使わないものを消す
社員に頼むときは、「消して」と言うより「何が残っていたか教えて」と頼むほうが進みます。何が残っていたかが分かれば、どんなファイルなら上げてよいかを、実際の中身を見ながら決められます。ルールを先に作るより、残っていたものを見てから決めるほうが、現場に合った線になります。
一時チャットを使う場面を1つ決める
顧客の名前が入った書類をどうしても上げる仕事があるなら、その仕事だけは一時チャットで行うと決めます。全部の仕事に当てはめる必要はありません。「この書類を扱うときだけ」と1つ決めておけば、残したくないファイルが積み上がるのを防げます。
AIを使っている会社かどうかより、使った跡が、知らないうちにどこへ残っているか。今回のニュースで確かめておくのは、そこです。
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