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2026-11-01導入と定着

ひとり情シスがつらい|全部を抱えないために最初に手放す3つ

ひとり情シスがつらい|全部を抱えないために最初に手放す3つ
この記事の結論

ひとり情シスがつらいのは、能力が足りないからではありません。毎回同じ質問への回答、手を動かす作業、決める役の3つが、すべて1人に集まっているからです。

最初に手放すのは、この3つです。質問への回答は仕組みへ、手を動かす作業は外へ、決める役は経営者へ返します。

社内に残すのは、自社の業務を知っていることと、外の相談先とのつなぎ役です。全部を自分でやる形から、回す形へ変えていきます。

朝いちばんに「パソコンが動かない」と呼ばれ、昼は新しいツールの見積もりを比べ、夕方にはパスワードを忘れた人の対応をしている。本来の仕事は手つかずのまま。休みの日にも電話が鳴る。社内のITのことを1人で引き受けている方に向けて書きます。

励ましや転職の話はしません。つらさの原因を分けて、何をどこへ手放せば楽になるのかを順番に並べます。

つらいのは能力ではなく、全部が1人に集まる形のせい

ひとり情シスのつらさは、仕事の量よりも、性質の違う仕事が1人に集まっていることから来ています。

頼まれる仕事に境目がない

ひとり情シスに来る依頼を並べると、性質がまったく違うものが混ざっています。

この3つは、本来は別の人が持つ仕事です。大きい会社なら、ヘルプデスク、保守の担当、方針を決める責任者に分かれています。ひとり情シスは、それを全部1人で受けています。つらいのは当然です。

IT人材が足りないことは、多くの中小企業が抱える課題

人が足りないのは、あなたの会社だけではありません。中小企業基盤整備機構の「中小企業のDX推進に関する調査」(2026年2月公表)は、全国の中小企業の経営者・経営幹部1,000社に、2025年12月5日から18日にWebアンケートで聞いたものです。DXに取り組むうえでの課題で最も多かったのは「ITに関わる人材が足りない」の28.3%でした。

人を増やせる会社は多くありません。だからこそ、1人で全部をこなす形のまま頑張るのではなく、1人に集まっている仕事を外へ出す形に変える必要があります。

いちばん重いのは「決める役」まで抱えていること

3つのうち、いちばん重いのは判断です。ツールを選んで、もし失敗したら自分のせいになる。セキュリティの事故が起きたら自分の責任になる。この重さが、休みの日も頭から離れない原因になっています。

けれど判断は、本来ひとり情シスが1人で背負うものではありません。ここは後で詳しく書きます。

最初に手放す3つ

手放す先は3つあり、質問への回答は仕組みへ、手を動かす作業は外へ、決める役は経営者へ返します。

ひとり情シスが最初に手放す3つ。質問への回答は仕組みへ、手を動かす作業は外へ、決める役は経営者へ
ひとり情シスが最初に手放す3つ。質問への回答は仕組みへ、手を動かす作業は外へ、決める役は経営者へ

一つめ:毎回同じ質問への回答は、仕組みへ

パスワードの再設定、プリンターの接続、共有フォルダの場所。同じ質問に毎回口で答えていると、それだけで1日が細切れになります。

最初にやるのは、よく聞かれる質問を1枚の紙か共有のページにまとめることです。立派なマニュアルは要りません。「質問」と「答え」が10個並んでいれば十分です。聞かれたら、答える前にそのページを見せます。

社内のチャットやAIに答えさせる方法もあります。ただ、元になる「質問と答え」が無いままAIを入れても、答えはぶれます。先に1枚を作るほうが早く楽になります。

二つめ:手を動かす作業は、外へ

パソコンの準備、故障した機器の修理、ネットワークの不調。こうした作業は、社内の事情を知らなくてもできる仕事です。

パソコンや複合機を買った販売店、回線の契約先、保守の契約、地域のIT支援の窓口など、外に頼める先はいくつもあります。費用がかかる場合もありますが、ひとり情シスの時間が1日つぶれる損と比べて判断します。

外に出すときは、「何を頼むか」と「頼むときの連絡先」を1枚に書いておきます。自分がいない日でも、ほかの社員がその紙を見て連絡できる状態が目標です。

三つめ:決める役は、経営者へ返す

IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」は、経営者が担当者に任せきりにすることなく、自社の情報セキュリティについて方針を示し、自ら実行していくことが必要だと書いています。経営者は担当者を任命し、指示を出す側に立つという整理です。

同じガイドラインは、業務を外部に委託したときも、委託先で起きた事故について委託元としての管理責任を問われる、と説明しています。外に出しても、責任の置き場所は会社に残るということです。

つまり、セキュリティをどこまでやるか、どのツールを入れるかを最終的に決めるのは経営者です。ひとり情シスの役目は、選択肢と判断材料をそろえて渡すところまで。決めた結果の責任まで1人で背負う必要はありません。

社内に残すのは、業務の知識と外とのつなぎ

全部を手放すわけではなく、自社の業務を知っていることと、外の相談先とのつなぎ役は社内に残します。

ひとり情シスの仕事の分け方。手放すもの(質問への回答・手を動かす作業・決める役)と、社内に残すもの(業務の知識・外とのつなぎ役・ルールと緊急時の手順づくり)
ひとり情シスの仕事の分け方。手放すもの(質問への回答・手を動かす作業・決める役)と、社内に残すもの(業務の知識・外とのつなぎ役・ルールと緊急時の手順づくり)

外の人には分からないことが、ひとり情シスの本当の価値

外の業者は機械には詳しくても、あなたの会社でどの部署が何の作業に困っているかは知りません。どの業務にどのツールが合うかを見立てられるのは、社内にいる人だけです。

手を動かす作業を外へ出すと、この見立てに使える時間が生まれます。ひとり情シスが本来の力を出せるのは、ここです。

後回しになりやすいのは、ルールと緊急時の手順

1人で全部をこなしていると、目の前の依頼に追われて、急ぎではない仕事が後回しになります。IPAの「2024年度 中小企業等実態調査」(有効回答4,191件)の概要版では、セキュリティ対策のうち「実施している」「一部実施している」の割合が低かった項目として、新たな脅威や攻撃の手口を社内で共有する仕組み(37.9%)、対策のルール化と従業員への明示(39.2%)、事故に備えた緊急時の体制や手順の準備(39.8%)が挙げられています。

どれも、1人が自分の頭の中だけで回している状態では作れないものです。手放して空いた時間は、まずここに使います。特に「事故が起きたら、誰が何をするか」は、紙1枚でいいので先に書いておきます。

大きい会社の情シスの形はまねしない

大きい会社には、何人もの情シス部門があり、規程類を何十ページもそろえる進め方があります。ひとり情シスがそれをまねると、資料を作ることだけで手一杯になります。

同じひとり情シスでも、会社の業種も人数も、使っているツールも違います。全部をそろえるのではなく、自分に集まっている仕事の中で、いちばん時間を取られているものから1つずつ手放してください。

「どの仕事から外に出せばいいか」から、ご相談ください。いま1人に集まっている仕事を一緒に並べて、どこから手放すかを絞るところから始めます。

経営者に話すときは「つらい」より一覧を見せる

経営者に相談するときは、「つらい」「人を増やしてほしい」と伝えるより、何が1人に集まっているかを見せるほうが話が進みます。

1週間だけ、頼まれた仕事を書き留めてください。日付、誰から、何を、かかった時間。この一覧を、さきほどの3つ(質問への回答・手を動かす作業・判断)に分けて見せます。経営者が見るべきなのは、判断の欄に何が並んでいるかです。

そのうえで「この判断は社長が決めてください」「この作業は外に出させてください」と、手放したい先を具体的に伝えます。「自分が休んだら止まるもの」を一緒に挙げておくと、会社にとっての危うさとして受け取ってもらいやすくなります。

辞めることを考える前に、まずこの一覧を1回出してみてください。抱えているものが見えるだけで、話は変わります。

今日からやること

やること目安
1週間、頼まれた仕事を「日付・誰から・何を・時間」で書き留める1日5分
書き留めた仕事を、質問への回答・手を動かす作業・判断の3つに分ける30分
よく聞かれる質問と答えを10個、1枚にまとめる1時間
外に頼める作業と、その連絡先を1枚に書く30分
判断の欄に並んだものを、経営者に渡す次の打ち合わせ
事故が起きたときに誰が何をするかを、紙1枚に書く1時間

よくある質問

ひとり情シスがつらくて、退職を考えています。

辞める前に、何が1人に集まっているかの一覧を経営者に出してみてください。一覧を見て何も変わらないなら、そのとき改めて考えても遅くありません。逆に、辞める前に引き継ぎのための一覧を作っておくと、残る会社にとっても大きな助けになります。

外に頼むお金がないと言われたら、どうすればいいですか。

まず、販売店や回線の契約先など、すでにお金を払っている相手に頼める範囲を確かめてください。追加の費用なしで対応してもらえる作業が含まれていることがあります。それでも費用が要る作業は、ひとり情シスの時間が何時間つぶれているかと並べて、経営者に判断してもらいます。

AIを入れれば、ひとり情シスの負担は減りますか。

減らせるのは、毎回同じ質問への回答のような、答えが決まっている仕事です。ただし元になる「質問と答え」の一覧が無いままAIを入れても、答えはぶれます。先に一覧を作り、そのあとでAIに答えさせるかを考えてください。判断や責任は、AIを入れても減りません。

まとめ

ひとり情シスがつらいのは、能力が足りないからではありません。毎回同じ質問への回答、手を動かす作業、決める役という性質の違う3つの仕事が、1人に集まっているからです。

最初に手放すのは、この3つです。質問への回答は1枚のページにまとめて仕組みへ、手を動かす作業は連絡先を書いて外へ、決める役は判断材料をそろえて経営者へ返します。

社内に残すのは、自社の業務を知っていることと、外の相談先とのつなぎ役です。空いた時間で、ルールと緊急時の手順を先に作ってください。

1人に集まっている仕事のうち、特定の人の頭の中にしか無い仕事を書き出す方法は「属人化はAIで解消できるか」、事務全体の仕事を減らす順番は「事務の人手不足|採用の前に、減らせる仕事を1つ決める」、改善が続かないときの止め方は「業務改善ができない会社の共通点」で書いています。

どこから手をつけるか分からない場合は、ご相談ください。いまのやり方を伺うところから始めます。ご相談とお見積りに費用はいただきません。

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。