スライドを丸ごとGeminiが直す|変わった所を確かめる
Googleスライドで、Geminiに1回頼むだけで、資料全体の見た目や中身をまとめて直せるようになりました。
どのページを変えるかはGeminiが決めます。直した後に変更の要約が出て、版の履歴から元に戻すこともできます。
社外に出す資料は、頼む前に版に名前を付け、終わったら変わったページを人が確かめてから出す。決めるのはこの1つです。
提案書の色とフォントを、新しい会社案内に合わせたい。何十枚もある資料を1枚ずつ直すのは、手間のかかる仕事です。それが、Googleスライドでは「この資料をあのファイルの見た目に合わせて」と1回頼めば済むようになります。
便利な話です。ただ、1回の依頼で何ページが変わったのかは、頼んだ本人にも見えにくくなります。社外に出す資料なら、ここを放っておくわけにはいきません。
今日やること 社外に出す資料をGeminiでまとめて直すときは、頼む前に「版の履歴」で今の版に名前を付ける。終わったら、変わったページを人が確かめてから出す。この2つを、資料を作る人に一言伝えてください。 何もしなくていい人 Google WorkspaceのBusiness Starterを使っている会社と、Google Workspaceを使っていない会社です。今回の発表の対象には入っていません。
何が起きたか
10月30日、GoogleがGoogleスライドで、Geminiに資料全体をまとめて直させる機能を発表しました。
スライドの横に出るGeminiのパネルに1回頼むだけで、複数のスライド、または資料全体が一度に書き換わります。発表で挙げられている使い方は4つです。
- フォント・背景・配色を、資料全体で揃え直す(別の資料の見た目に合わせることもできる)
- Googleドライブにあるファイルをもとに、中身を足したり、要点を絞ったりする
- 何枚かのスライドを1枚にまとめる、または新しいスライドを足す
- 全ページのタイトルの大きさや色を揃える、ページ番号を消す
対象は、Business Standard・Plus、Enterprise Standard・Plusなどです。提供開始の時点では英語のみの対応で、各社の画面に出るまでは15日以上かかることもあると書かれています。
中小企業にとって何が変わるか
「どのページを変えるか」をGeminiが決める
いちばん大事なのはここです。
Googleの発表には、Geminiが「どのスライドを変える必要があるかを判断して」直す、と書かれています。頼んだ人が1枚ずつ選ぶわけではありません。
見た目を揃えるだけなら、多少の行き違いは見れば分かります。困るのは中身を変えるときです。たとえば「最新の価格表のファイルをもとに、この提案書を直して」と頼んだとします。価格のページは直っても、別のページに書いた古い金額が残っているかもしれません。逆に、変えてほしくなかった導入事例のページまで言い回しが変わっているかもしれません。
1枚ずつ自分で直していたときは、直した人がどこを触ったかを覚えていました。まとめて直すと、その記憶が誰にも残りません。
戻す仕組みはある。使うかどうかは人次第
発表によると、Geminiが終わるとパネルに変更の要約が出ます。直した結果は自分で編集したのと同じ扱いになり、「元に戻す」や「版の履歴」で中身を見たり、取り消したりできます。
仕組みとしては、ちゃんと戻れるようになっています。ただ、版の履歴は、自動で付く日時だけだと、どれがGeminiに頼む前の版か探しにくいものです。頼む前に「Gemini前」のような名前を付けておけば、戻るのは数秒で済みます。
止める設定は無い
発表には、この機能に管理者の設定は無いと書かれています。会社として「使わせない」を選ぶのではなく、使う前提で、出す前の確かめ方を決めておくことになります。
当てはまるかどうかを分ける
| 直したい資料 | やること |
|---|---|
| 社内の会議で一度見るだけの資料 | 気にせず使ってよい |
| 見た目(色・フォント・タイトル)だけ揃えたい | 変更の要約を読み、全体を一度めくる |
| 社外に出す提案書・見積の説明資料 | 頼む前に版に名前を付ける。終わったら変わったページを人が確かめる |
| 金額・日付・社名など、数字や固有名詞が入る | 該当ページを1枚ずつ見る。ほかのページに古い数字が残っていないかも見る |
| 日本語の資料 | 提供開始時点は英語のみの対応。日本語でどこまで動くかは、試してから決める |
よくある誤解:「全部直してくれるなら、もう確認はいらない」
逆です。直す手間が減った分、確かめる手間はむしろ大事になります。
1枚ずつ直していたころは、直す作業そのものが確認を兼ねていました。触ったページは、直した人が必ず目で見ていたからです。まとめて直すと、作業と確認が切り離されます。確認を別の手順として置かないと、誰も見ていないページがそのまま社外に出ます。
「AIを入れて速くなった」と言えるのは、出す前の確認まで含めて時間が減ったときだけです。
枠は12月から変わる
発表には、少なくとも2026年12月1日までは多めの利用枠が使え、その後は1人ごとの上限がかかると書かれています。上限の中身は、事前にヘルプで知らせるとのことです。今のうちに試して、どの資料で役に立つかを見ておくと、上限が付いた後も迷いません。
いま何をすべきか
- 資料を作る人に、2つだけ伝える。頼む前に版に名前を付けること、終わったら変わったページを確かめること
- 社外に出す資料は、確かめる人を決める。作った本人でもかまいません。「誰かが見たはず」にしないことが大事です
- 金額や日付が入る資料は、1枚ずつ見る。変更の要約に出ていないページに、古い数字が残っていないかも見ます
- 日本語で動くかは、社内の資料で一度試す。提供開始時点は英語のみの対応です。いきなり社外向けの資料で試さないでください
- 12月の上限の案内が出たら、使い方を見直す。それまでに、役に立つ資料の種類を1つ見つけておけば十分です
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まとめて直せるようになっても、資料作成の時間がいちばんかかるのは、見た目ではなく作り直しです。誰が読んで何を決める資料かが決まっていないと、何度AIに直させても同じことが起きます。資料作成に時間がかかる理由|誰が何を決めるかを先に書くでは、作り始める前に1行で決めておくことを書きました。
「タイトルを全部揃えて」と頼めるのは便利ですが、揃える基準が人によって違えば、また崩れます。表記ゆれを統一する前に|直すより入れる時点で揃えるは表の話ですが、直すより先に、正しい書き方を1か所に決めておく考え方は資料でも同じです。
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