Google Vidsで写真が話す動画に|写る本人に先に聞く
Google Vidsで、手持ちの写真1枚から、台本を読み上げて話すAIアバターを作れるようになりました。Business Starterも対象で、管理者が止める設定はありません。
社長や社員の顔で研修動画を作れるのは便利です。ただ、写真さえあれば、写っている本人が知らないうちに「その人が話している動画」ができてしまいます。
決めるのは1つです。人の写真からアバターを作るときは、写っている本人に先に聞く。これを動画を作る人に伝えてください。
新人向けの研修動画を作りたい。でも、カメラの前で話すのは気が重い。そう思っていた社長の写真が1枚あれば、その顔のアバターが台本を読み上げる動画を作れるようになりました。Googleの動画作成ツール「Google Vids」の新しい機能です。
撮影も録音も要らないので、手軽です。ただ、使う写真は社長本人のものとは限りません。社員の写真でも、取引先の担当者の写真でも、同じように作れてしまいます。今日の話は、ここをどう扱うかです。
今日やること 「人の写真からアバターを作るときは、写っている本人に先に聞く」。この1行を、動画や資料を作る人に伝えてください。 何もしなくていい人 Google Workspaceを使っていない会社、それからVidsで動画を作る予定がない会社です。急いで設定を変える必要はありません。そもそも止める設定がありません。
何が起きたか
11月2日、GoogleがGoogle Vidsで、写真をアップロードしてカスタムアバターを作れる機能を発表しました。
パソコンの中、Googleドライブ、Googleフォトにある画像を選ぶと、それをもとにAIアバターができます。背景や明るさはVidsの中で整えられます。声は用意されたリストから選び、台本を入れるとアバターがその文章を読み上げます。作ったアバターはそのVidsのプロジェクトに保存され、同じ動画の中で何度でも使えます。
Googleのヘルプには、日本語の読み上げに対応していること、多くの利用者は月25回まで生成でき、アバター動画は1本60秒までであることが書かれています。
対象はBusiness Starter・Standard・Plusなど、中小企業が使っている主なプランが入っています。個人のGoogleアカウントでも使えます。管理者が止める設定はありません。提供は、早期リリースの組織で10月30日から順次、通常の組織では11月20日からです。
中小企業にとって何が変わるか
研修動画や案内動画が、撮らずに作れる
人の少ない会社にとって、動画は「作りたいけれど、撮る人も出る人もいない」ものでした。写真1枚と台本があれば、社長や担当者が説明している形の動画になります。手順の説明、新人向けのあいさつ、社内のお知らせなどに使えます。
「その人が話している動画」が、本人抜きでできる
一方で、写真があれば誰の顔でも作れます。会社のHPに載っている社員の写真、名刺交換のときに撮った取引先の写真、イベントの集合写真。どれも、その人が言っていないことを話す動画の材料になります。
Googleのヘルプは、AIアバターは生成AIで作ったもので、実在する人物ではないと書いています。ただ、見る側にとっては、知っている顔が話していれば「その人が言った」と受け取ります。ここは仕組みの説明と、受け取られ方が食い違うところです。
止める設定が無いので、ルールは人に伝えるしかない
多くのAI機能には、管理者が組織単位で切れるスイッチがあります。今回の機能にはありません。対象のプランを使っていれば、社員は誰でも使えます。だからこそ、決めたことは動画を作る人に直接伝える必要があります。
うちは当てはまるか
| 状況 | 今日やること |
|---|---|
| Vidsで動画を作る予定がある | 「写っている本人に先に聞く」を伝える |
| 社員の顔写真をHPや資料に載せている | 同じ1行を伝える(材料が手元にある) |
| Google Workspaceを使っていない | 何もしなくていい |
| 動画を作る予定がまったくない | 何もしなくていい。作ると決めた時に思い出せば足りる |
よくある誤解:「声は本人じゃないから問題ない」
アバターの声はリストから選ぶもので、本人の声を写すわけではありません。だから大丈夫だろう、と考えたくなります。
ですが、人がまず見るのは顔です。社長の顔が「今月から手順が変わります」と話していれば、声が少し違っても、社長の言葉として受け取られます。取引先の担当者の顔なら、なおさらです。声が違うことは、本人の了解を取らなくていい理由にはなりません。
9月には、短い録音から人の声を写せる音声AIの話を書きました。あのときは声、今回は顔です。どちらも「本人に聞く」「その人が辞めたらどうするか」を決めておけば足ります。
いま何をすべきか
決めるのは1つです。
人の写真からアバターを作るときは、写っている本人に先に聞く。
聞くときは、何に使う動画か、社内だけで見るのか社外にも出すのか、を伝えます。口頭で済ませず、チャットやメールで一言残しておくと、後で「聞いた・聞いていない」になりません。
そのうえで、余裕があれば次の2つも添えてください。
- 取引先やお客様の写真は使わない。社内の動画に社外の人の顔を使う場面は、ほとんどありません。最初から外しておくほうが話が早いです
- 辞めた人の顔の動画をどうするか、決めておく。作ったアバターはプロジェクトに残ります。退職したら差し替えるのか、そのまま使うのか。決めずにいると、辞めた人が研修動画で話し続けることになります
逆に、やらなくていいこともあります。動画を作るたびに上司の承認を取る、といった手続きを足す必要はありません。人の少ない会社で手続きを増やすと、使われなくなるだけです。本人に一言聞く、で十分です。
私たちは、AIの機能が増えるたびにルールを厚くするやり方はおすすめしません。決めることは少ないほうが守られます。今回足すのは、この1行だけです。
関連するもっと詳しい話
今回の1行を、既にある社内ルールのどこに足すかは、生成AIの社内ルールを3つに絞る考え方で書いています。新しい項目を作るより、「入れてはいけない情報」の項目に「人の顔写真」を足すほうが、読む側の負担が増えません。
研修動画を作りたい理由が「マニュアルが読まれない」なら、動画にする前に考えることがあります。マニュアルを読ませるより要らなくする方法を先に読むと、そもそも動画が要るかどうかを判断できます。
社内の動画やAIの使い方で迷ったら、Ravenにご相談ください。御社のやり方に合わせて、決めることを一緒に絞ります。
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