ChatGPTで資料を共同編集|元の権限は付いてこない
ChatGPTで作ったスライドを、社員どうしで同時に編集できる「ChatGPT Slides」が始まりました。対象はSpaceを使えるPro・Business・Enterpriseのプランです。
気をつけるのは共有の範囲です。OpenAIの説明では、元のファイルの閲覧権限はそのまま残りますが、スライドに写したり要約したりした中身は、元のファイルを開けない人にも見えます。
共有する前に、スライドに入った数字や名前を1枚ずつ読み返し、ChatGPTのメモリから入った内容がないかを確かめてください。
ChatGPTで作ったスライドを、そのままChatGPTの中で社員と一緒に直せるようになりました。会議資料や社内向けの説明資料を、AIに下書きさせて全員で仕上げる、という使い方ができます。
便利になるぶん、見落としやすい点があります。スライドを共有すると、元のファイルを開く権限がない人にも、スライドに書き写した中身は見えます。元のファイルの権限は、スライドには付いてきません。
今日やること ChatGPTのBusinessプランなどを会社で使っているなら、「売上・給与・取引先の個別の条件が入った資料は、ChatGPTのスライドで共有する前に、作った本人が1枚ずつ読み返す」と社内のルールに1行足してください。 何もしなくていい人 ChatGPTを無料版や個人の有料プラン(Plus)だけで使っている会社です。今回の機能は、Space(ChatGPTの中でファイルやページを置く場所)を使えるPro・Business・Enterpriseのプランが対象です。
何が起きたか
OpenAIは10月16日、ChatGPTで「Slides」の提供を始めたと発表しました(OpenAI:ChatGPT release notes)。
- 会話・ファイル・箇条書きの下書きからスライドを作れる。見本の資料を渡すと、体裁を寄せてくれる
- 文字・画像・図形・グラフを直接直すか、ChatGPTに直させる
- 社員を招待すると、同じスライドを同時に編集でき、コメントも残せる
- ChatGPTの画面から発表できるほか、PowerPoint・PDF・Googleスライドへ書き出せる
対象は、Spaceを使えるPro・Business・Enterpriseの利用者で、Webとデスクトップアプリに順に展開されています。
中小企業にとって何が変わるか
社内の資料づくりが、ChatGPTの中で完結する
これまでは、ChatGPTに文章を書かせて、PowerPointに貼り直す手間がありました。今回から、下書き・修正・コメント・発表までがChatGPTの中で済みます。少人数の会社で、資料を作る人が限られている場合は、手間が確実に減ります。
共有の範囲が、思っているより広くなる
注意したいのは共有の範囲です。OpenAIは、Spaceの共有の仕組みを次のように説明しています(OpenAI:ChatGPT Space: sharing, data, and controls)。
- 外部サービス(Googleドライブなど)にあるファイルは、そのサービスの閲覧権限がそのまま残る
- ただし、そのファイルからページに写したり要約したりした内容は、元のファイルを開けない人にも見える
- メモリ(過去の会話を覚えておく機能)がオンだと、ChatGPTが過去の会話の内容を使ってページを書くことがある。書き込まれた内容は、ページを見られる人が読める
スライドは、この「ページ」と同じ扱いでSpaceに置かれます。たとえば、経理担当だけが開ける売上の表をもとにChatGPTがスライドを作り、それを営業の全員に共有すると、表は開けなくても、スライドに載った数字は全員に見えます。
自社がどれに当てはまるか、表にしました。
| いまの状況 | 当てはまるか | やること |
|---|---|---|
| ChatGPTは無料版かPlusだけ | 当てはまらない | 何もしなくてよい |
| Businessを使っているが、資料はPowerPointで作っている | 少し当てはまる | 使い始めるときに、下の誤解だけ社内に伝える |
| 社員ごとに見られるフォルダを分けている | 当てはまる | 元の資料の権限と、スライドの共有範囲が同じかを毎回見る |
| 社員がChatGPTのメモリをオンにして仕事に使っている | 当てはまる | 共有する前に、関係のない話が入っていないか読み返す |
| Windows 10のパソコンが残っている | 当てはまる | デスクトップアプリでは共同編集のスライドを作れない。Webで使う |
最後の行は、OpenAIのSlidesの説明ページに書かれています(OpenAI:Creating and collaborating on slides in ChatGPT)。WindowsでMXCという部品が無いパソコンでは、デスクトップアプリは共同編集のスライドではなく、PowerPointのファイルを作ります。Windows 10はこの部品に対応していません。
よくある誤解:「元のファイルを開けない人には、中身も見えない」
フォルダの権限で情報を分けている会社ほど、この思い込みが起きやすいです。権限が守るのは元のファイルで、そこから写した中身ではありません。Slidesの説明ページでも、共有や発表の前に、文字・数字・配置を確かめるよう書かれています。
Slidesの説明ページでは、開始時点では「コメントだけできる」権限がないと書かれています。共有する相手は、見るだけか、編集もできるかのどちらかになります。直してほしくない資料は、編集の権限を渡さずに共有してください。
書き出しにも注意が要ります。PowerPointやGoogleスライドに書き出すと、ChatGPTの中のスライドとは別のファイルになります。両方を直していくと、どちらが最新か分からなくなります。
いま何をすべきか
- 今日やることの1行を、社内のルールに足す
- 最初に共同編集に使う資料を、社外秘の数字が入らないもの(社内の手順説明や会議の進め方など)から選ぶ
- 書き出したら、それ以降はどちらで直すかを決める。ChatGPTの中で直し続けるなら、書き出したファイルは「配布用の控え」として扱う
使い始めの数週間は、共有する相手を部署の中に絞っておくと安心です。
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