Sonnet 5.5登場|値段表は同じ、下がるのは1件あたり
AnthropicがClaude Sonnet 5.5を公開しました。API料金は前のSonnet 5と同じですが、同じ仕事をこなすのに使う量が減るため、1件あたりは最大30%安くなると説明しています。
月額プランで使っている会社の請求は変わりません。関係があるのは、業者に作ってもらったツールなど、使った量で払う形でClaudeを使っている会社です。
値段表が同じなので、安くなったかどうかは表を見ても分かりません。月の請求額を処理した件数で割った「1件あたり」を、切り替えの前と後で比べます。
AnthropicがClaudeの新しいモデル「Sonnet 5.5」を公開しました。前のSonnet 5より速く、仕事によっては安く済むという発表です。ただし、料金表の単価は前と同じです。安くなるのは単価ではなく「1件あたり」なので、表を見比べても違いは分かりません。ここを取り違えると、切り替えた後に「本当に安くなったのか」を誰も答えられなくなります。
今日やること ChatGPTやClaudeを月額プランで使っているだけの会社は、何もしなくて構いません。 業者に作ってもらったツールなど、使った量で払う形でClaudeを使っている会社は、1つだけ始めます。月の請求額を、その月に処理した件数で割って記録しておく。切り替えるかどうかは、その数字が揃ってから決めれば間に合います。
何が起きたか
Anthropicは、Claude Sonnet 5.5を公開しました(Anthropic:Introducing Claude Sonnet 5.5)。発表によると、Sonnet 5.5はSonnet 5より30%以上速く出力し、多くの仕事で最大30%安く済みます。
料金は、Sonnet 5と同じ「入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル」です。それでも安くなる理由として、同じ仕事をこなすのに使うトークン(AIが読み書きする量の単位)がずっと少なくて済む、と説明しています。料金表はClaudeの開発者向けドキュメントでも確認でき、Sonnet 5.5とSonnet 5は同じ単価で並んでいます。
同じ発表では、軽い仕事向けの「Haiku 5.5」が数週間のうちに加わることにも触れています。
中小企業にとって何が変わるか
月額プランの会社は、請求が変わらない
まず、ChatGPTやClaudeを月額の定額プランで使っている会社には、請求の面では関係がありません。変わるのは、使った量に応じて払う「API」で使っている会社です。自社で直接契約していなくても、業者に作ってもらった問い合わせ対応や書類の下書きのツールが、裏でClaudeのAPIを使っていることがあります。
「値段表で比べる」がいちばん当てにならない
今回の発表でいちばん大事なのは、単価が同じなのに、1件あたりが変わるという点です。
これまでは、新しいモデルが出ると料金表の単価を見比べれば、安くなったかどうかがおおよそ分かりました。今回はその方法が使えません。表の数字は同じで、違いは「1件の仕事にどれだけ使うか」の側にあるからです。
しかも発表の書き方は「最大30%」です。どの仕事でも3割下がるという意味ではありません。問い合わせへの短い返信のように、もともと使う量が少ない仕事では、ほとんど変わらないこともありえます。
よくある誤解:「値段が同じなら、切り替えても得はない」
逆もあります。単価が同じなので、切り替えても意味がないと考えてしまうことです。1件あたりの使用量が減るなら、請求は下がる余地があります。
どちらの思い込みも、根っこは同じです。自分の会社で「1件あたりいくらかかっているか」を知らないことです。これが分かっていれば、新しいモデルが出るたびに、発表の言葉ではなく自社の数字で判断できます。
「考える深さ」の設定でも変わる
発表では、Claudeにどこまでじっくり考えさせるかを段階で選べることにも触れています。低い設定では速く答えて使う量も減り、決まった形の仕事に向く、という説明です。既定は、Claudeのアプリでは真ん中の「Medium」、開発者向けでは「High」です。
つまり、同じSonnet 5.5でも、業者がどの設定で組んでいるかで1件あたりは変わります。モデルの名前だけ聞いても、費用は読めません。
うちは当てはまるのか
| いまの会社の様子 | 今回の件は |
|---|---|
| Claudeを使っていない | 関係ありません |
| ChatGPTやClaudeを月額プランで使っているだけ | 請求は変わりません。何もしなくて構いません |
| 業者に作ってもらったツールの中でClaudeが動いている | 関係があります。切り替えるかどうかは業者と相談します |
| 自社でClaudeのAPIを直接契約している | 関係があります。切り替える前に、いまの1件あたりを控えておきます |
いま何をすべきか
急いで切り替えなくていい
今回の発表の中では、Sonnet 5をいつ使えなくするかは示されていません。今日明日に何かが止まる話ではありません。
一方で、切り替えには作業が要る場合があります。発表では、考える機能を切って使っている場合、新しい設定に変えてから移るよう案内があります。業者に作ってもらったツールなら、業者側で確かめてもらう話です。
やるのは「請求を件数で割る」だけ
大きい会社なら、使用量を細かく分析する担当を置けます。人手の足りない会社では、そこまでは要りません。やることは1つです。
- 月の請求額を控える:APIの請求、または業者からの請求のうちAIの利用分
- その月に処理した件数を控える:問い合わせへの返信なら返信した数、書類なら作った数
- 割って「1件あたり」を出す:これを切り替える前の月と後の月で並べる
これだけで、「新しいモデルで安くなった」が本当かどうかを自社の数字で言えるようになります。業者に切り替えを勧められたときも、「切り替えた後の1件あたりを見せてください」と頼めば済みます。
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