Copilotが単体で買える|先に見るのは今のOffice
Microsoftが、12月1日から新しいMicrosoft 365 CopilotとCopilot Businessを、Microsoft 365の基本契約なしで買えるようにすると発表しました。価格は今と同じです。
ただしMicrosoft自身が、Copilotで使える中身は契約しているMicrosoft 365のアプリとサービスに依存すると書いています。買い切りのOfficeはCopilotの対象外です。
買い切りのOfficeやGoogleのツールを使っている会社は、「Copilotだけ買えばWordでAIが使える」と考える前に、今のOfficeの種類とファイルの置き場所を確かめてください。
MicrosoftのAI「Copilot」は、これまでMicrosoft 365の契約に「追加」で買うものでした。Microsoftは、12月1日からこの条件を外し、Microsoft 365の基本契約がなくてもCopilotを買えるようにすると発表しました。
「Officeは買い切りのまま」「メールや共有フォルダはGoogle」という会社には、Copilotを試す入口が広がる話に聞こえます。ただ、同じ発表の中でMicrosoftは、使える中身は契約しているアプリ次第だとはっきり書いています。買う前に見ておくのは、AIの性能より、自社のOfficeの種類です。
今日やること 社内のパソコンに入っているOfficeが、月額や年額で払う「Microsoft 365」か、1回払いの「買い切り(Office 2021やOffice 2024など)」かを確かめ、仕事のファイルを置いている場所(社内のサーバー、OneDrive、Googleドライブなど)と一緒に1行で書き出してください。 何もしなくていい人 すでにMicrosoft 365にCopilotを付けて使っている会社です。Microsoftは、今の契約はそのまま続けられ、手続きは要らないと書いています。
何が起きたか
Microsoftは10月14日付の販売パートナー向けのお知らせで、次の変更を発表しました(Microsoft Learn:October 2026 announcements)。
- 12月1日から、新しい「Microsoft 365 Copilot」と「Microsoft 365 Copilot Business」は、対象のMicrosoft 365の基本契約なしで買える
- 価格は今の商品と同じ
- 10月16日から、今の商品の名前に「(add-on)」(追加型)が付く。12月1日以降の新規購入は、新しい商品に置き換わる
- すでに契約している会社は、何もしなくてよい。更新や人数の増減も今までどおりできる
同じお知らせには「購入の仕方の変更で、Copilotの機能そのものは変わらない」「Copilotで使える中身は、契約しているMicrosoft 365のアプリとサービスに引き続き依存する」とも書かれています。
中小企業にとって何が変わるか
変わるのは「買えるかどうか」で、「何に使えるか」ではありません。ここを取り違えると、払ったのに思っていた場所でAIが動かない、ということが起きます。
同じページの10月15日付のお知らせで、Microsoftは買い切り型のOffice 2021の企業向け版のサポートが10月13日に終わったことを伝え、あわせて「Copilotはクラウドとつながる Microsoft 365 のアプリでのみ使え、社内に設置する型のOfficeは対象外」と書いています。つまり、Copilotを単体で買えるようになっても、買い切りのWordやExcelの中でCopilotが動くようにはなりません。
もう一つ見ておきたいのは、データの置き場所です。Microsoftの説明では、仕事の情報を使うCopilotのチャットは、その人のMicrosoftのアカウントでアクセスできるものを元に答えます(Microsoft Learn:License Options for Microsoft Copilot)。メールや資料がGoogleや社内のサーバーにある会社では、Copilotから見える仕事の情報が少ないまま、ということになります。
自社がどれに当てはまるか、表にしました。
| いまの状況 | 当てはまるか | やること |
|---|---|---|
| Microsoft 365を契約し、Copilotも付けている | 当てはまらない | 何もしなくてよい。見積書や請求の名前に「(add-on)」が付くだけ |
| Microsoft 365を契約していて、Copilotは付けていない | 少し当てはまる | 買い方の選択肢が増えるだけ。今までどおり追加で検討すればよい |
| Officeは買い切り、ファイルは社内のサーバー | 当てはまる | Copilotだけ買ってもWordやExcelの中では動かない。先にOfficeの切り替えを考えるかを決める |
| メールや資料はGoogle、Officeはほとんど使わない | 当てはまる | Copilotが見られる仕事の情報が少ない。今使っているツールのAIと比べてから決める |
| 会社でAIをまだ何も使っていない | 当てはまらない | 単体で買えるようになったことは、始める理由にならない |
よくある誤解:「単体で買える」は「何とでも組み合わせられる」ではない
今回の変更で消えるのは、購入の手続き上の条件です。Copilotが動く場所の条件は消えていません。Microsoft自身がそう書いている以上、「Microsoft 365の契約をやめてCopilotだけにすれば安くなる」とは読めません。
こうした判断で迷うのは、AIの良し悪しより、社内のツールがばらばらに置かれていることが原因の場合が多いです。メールはGoogle、表計算は買い切りのExcel、チャットは別のサービス、という状態だと、どのAIを買っても「見られる範囲」が狭くなります。AIを足す前に、仕事の置き場所を1つに寄せるほうが、効き目ははっきり出ます。
なお、12月1日からは新しく買うCopilot Businessに従量課金が最初から付く予定です。これは Copilotの従量課金は12月1日から|既定の上限は下げてよい で書きました。
いま何をすべきか
- 今日やることの1行を書き出す(Officeの種類と、ファイルの置き場所)
- 買い切りのOfficeなら、サポートの期限とあわせて、Microsoft 365に切り替えるかを決める。Copilotを買うかは、その後でよい
- Googleのツールが中心なら、すでに使っているツールに付いているAIで足りないことを、1つ具体的に書き出す。書けなければ、Copilotを足す理由はまだありません
慌てて決める話ではありません。新しい買い方が始まるのは12月1日です。
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