電話対応を減らすには|AIで受ける前に理由を減らす
電話対応を減らしたいなら、AI受付や電話代行を入れる前に、なぜ電話がかかってくるのかを見ます。
かかってくる電話の多くは、営業時間・場所・在庫・進み具合のように、どこかに書いてあれば聞かなくて済む質問です。
同じ質問を1週間数え、Webの表示や自動返信で先に答えておけば、受ける仕組みを入れる前に件数が減ります。残った電話だけを、人かAIが受けます。
見積りを作っている途中で電話が鳴る。出てみると「今日は何時までやっていますか」。切って画面に戻ると、どこまで計算したか分からなくなっている。昼過ぎにまた鳴って、今度は「先週頼んだ件、どうなっていますか」。事務の人が1人しかいない会社だと、その人の1日は電話で細かく切られていきます。
「電話対応 減らす」で検索すると、電話代行サービスやAI受付の比較がたくさん出てきます。どれも「かかってきた電話を誰が受けるか」の話です。この記事では、その手前の「そもそも、なぜかかってくるのか」から考えます。
電話を減らす近道は、受ける仕組みより「かかってくる理由」を減らすこと
電話代行もAI受付も、かかってきた電話を受ける仕組みです。電話の件数そのものは減りません。件数を減らすには、かける理由を先に消します。
電話に出る人を外に頼んでも、AIに出させても、お客さんが電話をかける回数は変わりません。受ける人が変わるだけです。代行なら件数に応じて費用がかかりますし、AIなら通話の時間に応じて費用がかかります。電話に出る音声AIの値段の考え方はOpenAIの電話AIが1分5セント|それは部品の値段に書きました。
一方で、お客さんが電話をかけてくる理由を見ると、かなりの部分は「調べれば分かることが、調べられる場所に無かった」ものです。
| かかってくる電話 | お客さんが本当に知りたいこと |
|---|---|
| 「今日は何時までですか」 | 営業時間、臨時休業 |
| 「駐車場はありますか」 | 場所、行き方 |
| 「あの商品、ありますか」 | 在庫、取り扱いの有無 |
| 「頼んだ件、どうなっていますか」 | 進み具合、届く日 |
| 「見積りをお願いしたいのですが」 | 頼み方、必要なもの |
上の4つは、どこかに書いてあれば電話をかけずに済む質問です。最後の見積りの依頼は、人が受けたほうがいい電話です。電話を減らすというのは、前者を消して、後者に時間を使えるようにすることです。
まず1週間、電話の理由を数える
どの電話を減らせるかは、記録を取らないと分かりません。1週間だけ、かかってきた電話の用件を1行ずつ書きます。
「うちは問い合わせの電話が多い」と感じていても、何の電話が多いのかは、たいてい誰も数えていません。電話のそばに紙を1枚置いて、出た人が用件を1行だけ書きます。名前や電話番号は書かなくて構いません。書くのは「営業時間」「在庫」「進み具合」のような用件だけです。
1週間たったら、似た用件をまとめます。メモを打ち込んでAIに渡し、似たものでまとめさせると、手で分類するより早く終わります。並べてみると、だいたい同じ質問が何度も出てきます。その上位の数種類が、減らせる電話の候補です。
全部の業務を書き出す必要はありません。電話という1つの入口だけを見れば十分です。範囲を絞った棚卸のやり方は業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるに書きました。
よくある質問は、電話の前に答えておく
数えて上位に出た質問は、お客さんが電話をかける前に目にする場所へ答えを置きます。置き場所は、お客さんがもともと見ている所です。
営業時間・臨時休業は、検索結果に正しく出す
「何時までですか」の電話は、検索結果やGoogleマップに出ている営業時間が古いと増えます。Googleビジネスプロフィールでは、通常の営業時間に加えて、祝日などの特別な期間の営業時間を別に設定できます(Googleビジネスプロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールを編集する」)。年末年始やお盆の前に、特別営業時間を入れておくだけでも、その時期の電話は減ります。
自社のホームページに書いてあっても、お客さんはそこまで来ずに検索結果だけを見て電話をかけることがあります。答えは、お客さんの目に入る一番手前に置きます。
同じ質問には、自動返信で答える
LINE公式アカウントを使っているなら、応答メッセージ機能で、決まった言葉が届いたときに決まった返事を自動で返せます。設定したキーワードと完全に一致するメッセージが届いたときに返事が送られる「キーワード応答」と、内容にかかわらず返事をする「一律応答」があります(LINEヤフー for Business「応答メッセージ」)。
完全一致なので、お客さんが自由に書いた文章にはそのままでは反応しません。「営業時間」「駐車場」のような言葉をメニューのボタンにしておき、押すと決まった言葉が送られる形にすると、取りこぼしが減ります。
進み具合は、聞かれる前に知らせる
「頼んだ件、どうなっていますか」の電話は、お客さんが不安になったときにかかってきます。受け付けたとき、作業に入ったとき、届く日が決まったとき。節目ごとに短い連絡を先に送れば、聞く理由がなくなります。連絡の文面は毎回ほぼ同じなので、ひな形を作っておけば手間はかかりません。
「うちの電話、何から減らせばいいか分からない」ところから、ご相談ください。かかってくる電話の中身を一緒に見て、先に答えておけるものを探すところから進めます。相談と見積りに費用はいただきません。
残った電話を、人が受けるかAIが受けるか決める
理由を減らしたあとに残る電話は、相談、注文、苦情のように人が聞いたほうがいいものが中心です。受ける仕組みを考えるのはここからです。
理由を減らしたあとでも、電話はゼロにはなりません。むしろ、ゼロにしてはいけない電話があります。新しい仕事の相談、急ぎの注文、困っているお客さんからの連絡。これは会社にとって一番大事な電話で、すぐに人が出られるようにしておきたいものです。
残った電話のうち、AIや代行に任せていいのは、用件を聞いて折り返しにつなぐところまでです。お金や約束が絡む返事、謝る必要がある場面は、人が受けます。任せていい仕事の線の引き方はAIに任せていい仕事の見分け方|判断は新人と同じ基準でに書きました。
大きな会社のコールセンターは、たくさんの電話を前提に、受ける人と仕組みを厚くしています。人手の足りない会社が同じことをしようとすると、受ける費用ばかりが増えます。小さな会社ほど、受ける仕組みを厚くするより、かかってくる件数を減らすほうが効きます。
そして、減ったかどうかは件数で確かめます。「AI受付を入れた」「チャットを置いた」は、それだけでは何も意味しません。1日に何回、仕事の手が止まらなくなったか。それだけが意味を持ちます。
今日からやること
| # | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 電話のそばに紙を置き、出た人が用件を1行だけ書く | 今日 |
| 2 | Googleビジネスプロフィールの営業時間と、次の連休の特別営業時間を確かめる | 今日 |
| 3 | 1週間分の用件を似たものでまとめ、多い順に並べる | 来週 |
| 4 | 上位の質問について、答えをどこに置くか決める(検索結果・ホームページ・LINEなど) | 来週 |
| 5 | 「進み具合」の電話が多ければ、節目の連絡のひな形を作る | 来週 |
| 6 | もう1週間数えて、上位の質問の件数が減ったかを比べる | 1か月後 |
よくある質問
電話代行とAI受付、どちらを入れればいいですか。
どちらも、かかってきた電話を受ける仕組みです。入れる前に、1週間だけ電話の用件を数えてみてください。調べれば分かる質問が多いなら、受ける仕組みより先に、答えを置く場所を整えるほうが安く済みます。残った電話の量を見てから選んでも遅くありません。
電話をやめてメールやチャットだけにしてもいいですか。
お客さんによっては、電話しか使わない方もいます。窓口を閉じるより、電話をかけなくても答えが分かる状態を作るほうが、お客さんを取りこぼしません。電話は残したまま、かける理由を減らしていく形が無理がありません。
LINEの自動返信がうまく反応しないのはなぜですか。
キーワード応答は、設定した言葉と完全に一致したときだけ返事をします。お客さんが文章で書くと反応しないことがあります。よく聞かれる質問をメニューのボタンにして、押すと決まった言葉が送られるようにすると反応しやすくなります。
電話の記録を取る余裕がありません。
全部の電話を書かなくても構いません。用件を一言書くだけで十分です。それも難しければ、電話が多い曜日の1日だけでも、どんな質問が多いかの見当はつきます。
まとめ
電話対応を減らしたいとき、電話代行やAI受付は、かかってきた電話を受ける仕組みです。電話の件数そのものは減りません。件数を減らすには、お客さんが電話をかける理由を先に消します。
1週間だけ用件を数え、多い質問を見つけます。営業時間は検索結果に正しく出し、同じ質問には自動返信で答え、進み具合は聞かれる前に知らせます。残った相談や注文の電話を、人が受けるかAIが受けるか決めるのはそのあとです。減ったかどうかは、件数で確かめます。
電話に出る音声AIの値段の考え方はOpenAIの電話AIが1分5セント|それは部品の値段に、任せていい仕事の線引きはAIに任せていい仕事の見分け方|判断は新人と同じ基準でに、範囲を絞った棚卸は業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるに書きました。
どこから手をつけるか分からない場合は、ご相談ください。いまのやり方を伺うところから始めます。ご相談とお見積りに費用はいただきません。
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