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2026-10-01業務の自動化

Excelマクロが属人化したら|作った人が辞める前にやる3つ

Excelマクロが属人化したら|作った人が辞める前にやる3つ
この記事の結論

Excelのマクロが属人化して困るのは、マクロがあることではなく、何をしているかを誰も言葉にできないことです。止まったとき、直せる人も、消していいか判断できる人もいません。

慌ててRPAやSaaSに置き換える必要はありません。先にやるのは、捨てずに中身を言葉にすることです。

作った人が辞める前にやるのは3つです。本人に何のためのマクロかを話してもらう、AIにコードを読ませて手順書にする、止まったときの手順とコピーで試す場所を残す。置き換えるかどうかは、そのあとで決めます。

月末の集計も、請求書の作成も、ボタンを1つ押せば終わる。便利なExcelのマクロがあって、作ったのは数年前にいた詳しい人か、今もいる1人の社員です。ほかの誰も、中で何が起きているかを知りません。その人の退職や異動が見えてきて、「エクセル マクロ 属人化」で検索した。たぶん、そういう状況だと思います。

検索すると、マクロをやめてRPAやクラウドのサービスに置き換える話がたくさん出てきます。ただ、中身が分からないまま置き換えようとすると、何を置き換えればいいかも分かりません。この記事では、捨てる前にやること、作った人がいるうちにやることを順番に書きます。

困るのは「マクロがあること」ではなく「誰も言葉にできないこと」

マクロそのものは悪くありません。困るのは、何を・いつ・何のために動かしているかを、作った人以外が説明できないことです。

止まったときと変えたいとき、作った人がいないと次の3つが起きます。

起きること現場で聞く言葉
止まった理由が分からない「急にエラーが出るようになった」
直せない・変えられない「列を1つ足したいけど、触ると壊れそうで怖い」
消していいか判断できない「これ、まだ誰か使っているのか分からない」
作った人がいないマクロで起きる3つの困りごと
作った人がいないマクロで起きる3つの困りごと

属人化そのものを手順・判断・関係の3つに分けて考える方法は、属人化はAIで解消できるか|先に手をつけるのは「その人の頭の中」に書きました。マクロは、このうち「手順」の属人化がいちばんはっきり出る例です。

マクロは、作った人がいても止まる

マクロが止まるのは、作った人が辞めたときだけではありません。周りの環境が変わっても止まります。

Microsoftは、Windows版のOfficeで、インターネットから入手したファイルに入ったマクロを既定でブロックするように変更しています。メールの添付で受け取ったファイルなどが対象で、Excelの最新チャネルでは2022年7月27日から順に配布されました(Microsoft Learn「インターネットからのマクロは、Office で既定でブロックされます」)。マクロ入りのファイルをメールで回していると、ある日から動かなくなることがあります。

また、ブラウザで開くExcel for the webでは、VBAのマクロを作ることも実行することもできません。デスクトップ版のExcelで開く必要があります(Microsoftサポート「Excel for the web で VBA マクロを操作する」)。ファイルの置き場所をクラウドに移した途端に「ボタンが効かない」と言われるのは、このためです。

先にやるのは「捨てる」ではなく「言葉にする」

RPAやSaaSへの置き換えは、マクロが何をしているかが分かってからの話です。中身が分からないまま移すと、同じものをもう一度作ることになります。

マクロの属人化に困ると、「この機会にマクロをやめよう」という話になりがちです。ただ、置き換え先を選ぶには、今のマクロが何をしているかを知っている必要があります。それを知っているのは、作った本人だけです。

順番を間違えると、こうなります。新しいツールを入れる。作った人はもう辞めている。マクロが毎月こっそりやっていた処理が抜けていたことに、数か月後に気づく。マクロは、画面に出ない細かい処理(空白の行を消す、日付の形をそろえる、特定の取引先だけ別の扱いにする)をよく抱えています。

Excelそのものをやめるかどうかは、Excel管理から脱却する前に|やめない判断もあるで書いたとおり、会社によって答えが違います。マクロも同じです。続けるか、置き換えるか、やめるかは、言葉にしたあとで決めます。

作った人が辞める前にやる3つ

本人に話してもらう、AIにコードを読ませて手順書にする、止まったときの手順を残す。この順番で進めます。

本人にマニュアルを頼んでも、当たり前すぎて何を書けばいいか分からず進みません。書かせずに、話してもらい、読ませて、残します。

作った人が辞める前にやる3つの手順
作った人が辞める前にやる3つの手順

1. 何のためのマクロかを、本人に話してもらう

最初に聞くのは、コードの中身ではありません。次の4つです。

30分ほど話してもらい、録音しておきます。録音を文字にしてAIに整理させれば、本人が書く手間はかかりません。退職まで時間が無い場合の聞き方は、引き継ぎ資料が無いまま人が辞める|残り2週間で取り出す3つに書きました。

いちばん大事なのは4つ目です。本人が無意識に直してきた場面は、後でまた起きます。

2. AIにコードを読ませて、手順書にする

ここで生成AIが役に立ちます。マクロの中身はVBAという言葉で書かれたコードで、詳しくない人には読めません。AIは、このコードを日本語の手順に直すのが得意です。

やり方は単純です。Excelでマクロの画面(Visual Basic Editor)を開き、コードをコピーしてAIに貼り、次のように頼みます。

貼る前に、1つだけ確かめます。コードの中に、パスワードや社外秘の取引先名、社内のサーバーの場所が書かれていないかです。書かれていれば、その部分を伏せてから貼ります。会社でAIの使い方の決まりがあるなら、それに従います。

AIの答えは、そのまま信じません。できた手順書を作った本人に読んでもらい、違うところに印を付けてもらいます。本人がいるうちにやる理由はここにあります。AIの読み違いを直せるのは、本人だけです。

「うちのマクロ、どこから手をつければいいか分からない」ところから、ご相談ください。いま動いているマクロを一緒に見て、言葉にするところから進めます。相談と見積りに費用はいただきません。

3. 止まったときの手順と、試す場所を残す

最後に、止まったときにやることを1枚に残します。中身は3つで足ります。

あわせて、本物のファイルとは別に、試すためのコピーを置いておきます。直したいときや、列を足したいときは、まずコピーで動かします。本物で試して壊すのが、いちばん困ります。

続けるか、置き換えるかは、そのあとで決める

言葉にしたマクロを見て、続ける・置き換える・やめるを決めます。答えは会社ごとに違います。

手順書ができると、判断できるようになります。目安は次のとおりです。

判断こういうとき
続ける手順書があり、試すコピーもある。止まっても誰かが確かめられる
置き換える入力する人が増えた、外出先から使いたい、ブラウザで開くことが増えた
やめる手順書にしてみたら、もう誰も使っていない処理だった

意外と多いのが3つ目です。言葉にしてみると、昔の取引先のためだけの処理だった、ということがあります。その場合は消して終わりです。何も置き換える必要はありません。

マクロを残すのは遅れているからではありません。動いていて、誰かが説明できれば、それで十分です。大事なのは、マクロを使っているかどうかではなく、止まったときに困る人がいるかどうかです。

今日からやること

順やること目安
1社内でボタンを押して動かしているExcelを書き出し、作った人の名前を横に書く今日・15分
2作った人がいないもの、近く辞める人が作ったものに印を付ける今日
3印の付いたマクロについて、作った人に4つの質問をして録音する今週・1本30分
4コードを伏せるべき所を伏せてからAIに読ませ、手順書にする今週
5手順書を作った本人に読んでもらい、違うところを直す来週
6止まったときの手順を1枚にまとめ、試すためのコピーを置く来週

よくある質問

VBAが読めなくても、AIに読ませれば手順書は作れますか。

作れます。ただし、AIは書かれたコードから読み取れることしか答えられません。「なぜこの処理があるのか」は、コードには書いていないことが多いです。手順書は、本人の話(1)とAIの読み取り(2)を合わせて作り、本人に答え合わせしてもらいます。

作った人がもう辞めてしまった場合はどうすればいいですか。

本人に聞く部分はできませんが、AIにコードを読ませる部分はできます。そのうえで、そのマクロを実際に使っている人に「いつ、何のために押しているか」を聞いてください。使っている人が誰もいなければ、やめる候補です。消す前に、ファイルを別の場所に保管しておけば、困ったときに戻せます。

マクロはやめてRPAやSaaSに移したほうがいいですか。

中身が分かってから決めてください。手順書にしてみて、止まったときに確かめられる人がいるなら、続けても困りません。入力する人が増えた、外出先から使いたいなど、Excelでは不便な理由が出てきたときが、置き換えを考える時期です。

急にマクロが動かなくなりました。何から確かめればいいですか。

まず、ファイルをメールの添付やダウンロードで受け取っていないか、ブラウザ版のExcelで開いていないかを確かめてください。どちらもマクロが動かない典型的な理由です。次に、シート名や列の位置、ファイルの置き場所が変わっていないかを見ます。

まとめ

Excelのマクロが属人化して困るのは、マクロがあることではなく、何をしているかを誰も言葉にできないことです。止まった理由が分からず、直せず、消していいかも判断できません。マクロは、作った人がいても、ファイルの受け取り方や開き方が変わるだけで止まります。

慌てて置き換える前に、作った人がいるうちに3つをやります。本人に何のためのマクロかを話してもらう。AIにコードを読ませて手順書にし、本人に答え合わせしてもらう。止まったときの手順と、試すためのコピーを残す。続けるか、置き換えるか、やめるかは、そのあとで決めます。

属人化を手順・判断・関係に分けて考える方法は属人化はAIで解消できるか|先に手をつけるのは「その人の頭の中」に、Excelをやめるかどうかの判断はExcel管理から脱却する前に|やめない判断もあるに、退職まで時間が無い場合の聞き方は引き継ぎ資料が無いまま人が辞める|残り2週間で取り出す3つに書きました。

この記事のタグ業務改善生成AI自動化

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。