株式会社Raven トップへ戻る
2026-10-22導入と定着

残業が減らない理由|仕事を減らさず道具だけ足している

残業が減らない理由|仕事を減らさず道具だけ足している
この記事の結論

残業が減らない会社の多くは、ノー残業デーや新しいツールを足していても、仕事の量そのものには手をつけていません。

早く帰る日を決めても、やる仕事が同じなら、残業は別の日に移るだけです。道具を足すと、覚える手間と二重入力で仕事が増えることもあります。

先に残業の中身を書き出し、やめる仕事を1つ決め、特定の人に集まっている仕事を分けると、残業は減り始めます。

水曜日はノー残業デーにした。勤怠のシステムも新しくした。会議も短くしようと声をかけた。それなのに、月末の残業時間はほとんど変わらない。水曜日に早く帰った分、木曜日と金曜日が遅くなっただけだった。

「残業 減らない 理由」で検索すると、36協定や労務管理の解説が多く並びます。この記事はその話ではありません。制度や道具を足したのに残業が減らない会社で、業務の側に何が起きているかと、そこから抜ける順番を書きます。

残業が減らないのは、仕事の量が同じだから

早く帰る日を決めても、やる仕事が同じなら、残業は別の日に移るだけです。

残業を減らそうとするとき、多くの会社は「時間」のほうから手をつけます。ノー残業デーを決める、残業を事前申請にする、退社時刻を決めて声をかける。どれも間違いではありません。

ただ、これらは仕事の量を変えません。月に終わらせる仕事が同じなら、どこかの時間で誰かがやることになります。水曜日に帰れば、残りは木曜日に回る。申請制にすれば、申請しないで持ち帰る人が出る。時間だけを締めると、仕事は見えないところへ逃げていきます。

厚生労働省の時間外労働削減の好事例集は、企業の取組を「労働時間関連制度・体制の整備」と「業務の改善」の二つに分けて整理しています。ノー残業デーや事前申請は前者で、顧客への働きかけや業務の平準化、社内業務の改善は後者です。平成23年に行ったアンケートをもとにした少し前の資料ですが、この分け方は今もそのまま使えます。制度だけを整えて、業務の改善に手をつけていない。残業が減らない会社の多くは、この片側だけをやっています。

残業を減らす取組は「制度の整備」と「業務の改善」に分かれる。制度だけでは仕事の量は変わらない
残業を減らす取組は「制度の整備」と「業務の改善」に分かれる。制度だけでは仕事の量は変わらない

道具を足すと、仕事が増えることもある

新しいツールは、古いやり方をやめたときにだけ時間を減らします。並べて使えば、むしろ仕事は増えます。

もう一つよくあるのが、道具を足して残業を減らそうとすることです。勤怠システム、チャットツール、タスク管理、最近ならAI。どれも上手く使えば時間は減ります。

ところが、新しい道具を入れても、古いやり方が残っていることがよくあります。チャットを入れたのに大事な連絡はメールでも送る。システムに入力したあと、同じ内容をExcelの管理表にも書く。AIで下書きを作っても、結局いつもの書式に一から直す。こうなると、道具を覚える手間と二重の入力が増えた分、仕事はかえって重くなります。

同じ内容を何か所にも書き写している作業は、とくに見落とされがちです。どの転記を消すかの見分け方は、転記作業の無駄をなくす方法に書きました。

「ツールを入れた」「AIを導入した」こと自体には、何の意味もありません。意味があるのは、何の仕事が減ったかだけです。減った仕事を言えないなら、その道具はまだ残業を減らしていません。

先に、残業の中身を書き出す

残業時間を見るのではなく、残業している時間に何をしているかを見ます。

残業を減らす最初の一歩は、制度を決めることでも、道具を選ぶことでもありません。残業している人が、その時間に何をしているかを知ることです。

1. 残業の時間にやっている仕事を、一行で書き留める

一週間だけ、定時を過ぎてからやった仕事を一行で書き留めてもらいます。「見積書の作成」「明日の発注の確認」「お客様への折り返し電話」「日報の入力」くらいの粒度で十分です。何分かかったかまで測る必要はありません。

全部の業務を洗い出そうとすると、それだけで疲れて止まります。見るのは残業の時間に起きている仕事だけです。全部を書き出さない棚卸の考え方は、業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるで詳しく書きました。

2. 「やめられる仕事」を1つだけ選ぶ

書き出した仕事を見ながら、次の順に問いかけます。

この中から、やめられる仕事を1つだけ選びます。最初から何十もの改善を並べると、どれも中途半端に終わります。地味でも、確実にやめられるものから始めるほうが続きます。改善活動そのものが止まってしまう会社の共通点は、業務改善ができない会社の共通点にまとめています。

残業の時間にやっている仕事を三つの問いで見て、やめる仕事を一つだけ決める
残業の時間にやっている仕事を三つの問いで見て、やめる仕事を一つだけ決める

「うちの残業の中身で、どれから減らせるか」から、ご相談ください。書き出した仕事を一緒に見て、やめられるものと、AIや道具に渡せるものを分けるところから始めます。

特定の人に集まる仕事を分ける

残業が一部の人に偏っているなら、その人にしかできない仕事が原因になっていることが多いです。

会社全体の残業を見ると、実は数人に集中していることがよくあります。その人たちは、仕事が遅いわけではありません。その人にしか分からない仕事を抱えているだけです。

先ほどの好事例集でも、特定の人しかできない業務があるとその人に業務が集中し、長時間残業につながる原因になる、として、計画的に複数の仕事をこなせる人を増やしている会社の例が紹介されています。別の例では、顧客とやり取りする書類の様式を自社と顧客でそろえることで、双方の手間を減らしています。どちらも、時間を締める取組ではなく、仕事の形そのものを変える取組です。

人手の足りない会社では、大きな会社のように担当を増やしたり、専任の改善チームを作ったりすることはできません。だから、その人の仕事を全部引き取ろうとせず、一番手間がかかっている仕事の手順を書き出して、もう一人できる人を作るところから始めます。手順が書き出せれば、その一部をAIや自動化に渡せるかどうかも見えてきます。

同じ「残業が減らない」でも、原因は会社によって違います。夕方に電話が集中する会社もあれば、月末の集計に追われる会社もあります。他社の取組をそのまま真似るより、自分の会社の残業の中身を見て決めるほうが確実です。

今日からやること

やること目安ポイント
定時を過ぎてからやった仕事を、一行で書き留めてもらう1週間時間は測らなくてよい。何をしたかだけ
書き出した仕事から「誰も読んでいない」「二度やっている」ものに印をつける30分全部の業務を棚卸ししない
やめる仕事を1つだけ決め、やめる日を決める15分地味で確実にやめられるものを選ぶ
残業が集中している人の、一番手間がかかる仕事の手順を書き出す1時間引き取るのではなく、できる人を増やす
新しく入れた道具ごとに、それでやめた古いやり方を書く15分書けないなら、二重になっている
ひと月後、やめた仕事が本当に消えたかを確かめる30分残業時間ではなく、仕事が減ったかを見る

よくある質問

ノー残業デーは意味がないのでしょうか。

意味はありますが、ノー残業デーだけで仕事の量は減りません。早く帰る日を決めると、残業が別の日に移るだけになりがちです。ノー残業デーと一緒に、やめる仕事を1つ決めておくと、早く帰った分の仕事がどこかへ逃げずに済みます。

AIを入れれば残業は減りますか。

AIで減らせる仕事はありますが、入れただけでは減りません。AIで作った下書きを結局一から直している、AIとは別に従来の書類も作っている、という状態では、手間が増えることもあります。残業の時間にやっている仕事を書き出し、その中でAIに渡せるものを1つ選んでから使い始めてください。

残業が一部の社員に偏っています。どうすればいいですか。

その人にしかできない仕事を抱えていないかを確かめます。多くの場合、本人の能力ではなく、手順が本人の頭の中にしかないことが原因です。一番手間がかかっている仕事から手順を書き出し、もう一人できる人を作ると、偏りが少しずつほどけていきます。

残業が減ったかどうかは、何で確かめればいいですか。

残業時間だけでなく、やめると決めた仕事が本当に消えたかを確かめます。残業時間は、繁忙期やその月の受注量でも変わります。やめた仕事が消えていれば、繁忙期でもその分の負担は軽くなっています。

まとめ

残業が減らない会社の多くは、ノー残業デーや事前申請、新しいツールを足していても、仕事の量そのものには手をつけていません。時間だけを締めると、仕事は別の日や見えないところへ移ります。道具を足しても、古いやり方が残っていれば、手間はかえって増えます。

先に、残業の時間にやっている仕事を書き出します。その中から、誰も読んでいないもの、二度やっているものを探し、やめる仕事を1つだけ決めます。残業が一部の人に偏っているなら、その人の一番手間がかかる仕事の手順を書き出し、できる人を増やします。

見るべきは、制度や道具を入れたかどうかではなく、何の仕事が減ったかです。一つやめられれば、次にやめる仕事も見つけやすくなります。

この記事のタグ業務改善定着AI導入

どこから手をつけるか分からない場合は、ご相談ください。いまのやり方を伺うところから始めます。ご相談とお見積りに費用はいただきません。

相談する
この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。