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2026-09-27業務の自動化

転記作業の無駄をなくす|自動化の前に、消す転記を分ける

転記作業の無駄をなくす|自動化の前に、消す転記を分ける
この記事の結論

転記作業の無駄をなくすとき、最初に探すのは自動化の道具ではありません。転記の中には、写す先そのものが要らないものが混ざっています。それは道具を入れなくても、やめれば消えます。

写した先を誰が見ているか、元を見れば済まないか、入力する場所を1つにできないか。この3つの問いで「消す転記」を先に抜きます。

残った転記だけを自動化します。紙やPDFを読むところはAI、表から表へ写すところはCSVの取り込みや連携で足ります。

届いた注文書を見ながら、受注の表に打ち込む。その表を見ながら、請求書のソフトにもう一度打つ。月末には同じ数字を集計用のExcelにも写す。打ち間違いがないか、最後に元の紙と見比べる。1日のうちかなりの時間が「見て、打つ」に消えている気がする。「転記作業 無駄」「転記作業 自動化」で検索したのは、たぶんこういう日の終わりです。

検索すると、RPAやマクロで転記を自動化する方法がたくさん出てきます。ただ、その前に1つだけ確かめてほしいことがあります。その転記は、そもそも要るのかどうかです。

転記は「同じ情報が2か所にある」印

転記作業の無駄は、打つ手間そのものより、同じ情報を2か所に持っていることから生まれます。

転記が起きるのは、ある情報が1か所にあり、それと同じものを別の場所にも置こうとしたときです。元が1か所にしか無ければ、転記は起きません。

だから転記には、手間のほかにもう1つ困ったことが付いてきます。2か所の中身がずれることです。元の注文書が修正されたのに、受注の表だけ直っていない。請求書のソフトでは直したのに、集計用のExcelは古いまま。転記した後の「見比べ」や「照合」の時間は、このずれを見つけるために使われています。

転記を速くする道具を入れても、情報が2か所にある状態は変わりません。ずれを見つける作業は残ります。反対に、写す先そのものを無くせば、打つ手間と見比べる手間が一緒に消えます。先に考えるのは、こちらです。

転記は「消す転記」と「自動化する転記」に分ける

転記の中には、写す先ごとやめられるものが混ざっています。それを先に抜き、残りだけを自動化します。

消せる転記を見つける3つの問い

1つの転記について、次の3つを順に聞きます。

1. 写した先を、誰が見ているか。写した先の表や台帳を、実際に開いて使っている人の名前を挙げます。挙がらなければ、その転記は誰の役にも立っていません。以前の担当者が作った集計表や、昔の会議のために作った一覧が、目的が無くなった後も更新され続けていることはよくあります。やめても困る人がいないなら、やめます。

2. 元を見れば済まないか。写した先を見ている人がいても、元の資料やシステムを直接見れば済むことがあります。受注の内容を確認するためだけに一覧へ写しているなら、元の注文書のフォルダや受注システムの画面を見てもらえば足ります。「見やすいから写している」だけなら、見る人に元の場所を案内するほうが安く済みます。

3. 入力する場所を1つにできないか。2か所とも本当に要る場合でも、入力する場所を1つにして、もう一方はそこから読むようにできないかを考えます。電話で受けた注文をメモに書き、あとで表に打つなら、最初から表に直接入れる。紙の申込書を受け取って打ち直しているなら、申込そのものを入力フォームにしてもらう。入り口を1つにすれば、写す作業は発生しません。

消せる転記を見つける3つの問い。どれかに当てはまれば道具は要らず、3つとも当てはまらない転記だけを自動化に回す
消せる転記を見つける3つの問い。どれかに当てはまれば道具は要らず、3つとも当てはまらない転記だけを自動化に回す

3つの問いのどれかで「やめられる」となった転記は、道具を何も入れずに消えます。ここで抜けた分は、自動化の検討に回す必要がありません。

表から表への転記は、置き場所の問題であることが多い

社内のExcelからExcelへの転記は、この3つの問いで消えることがよくあります。Excelそのものをやめるべきかという話は、Excel管理から脱却する前に|やめない判断もあるに書きました。そこでも、Excelを替える意味があるのは「転記が多い」表だけで、それも入力の入り口をそろえるところから始める、という順番にしています。

残った転記は、転記元の形で手段を選ぶ

自動化の手段は、転記元が紙かPDFか、表やCSVか、同じシステムの中かで決まります。AIが効くのは、紙とPDFを読む場面です。

紙・PDF・メール本文から打つ転記

形がそろっていない資料から数字や項目を拾って打つ転記です。注文書、請求書、申込書、メールで届く注文などです。ここは人が「読んで、どこに何が書いてあるか判断する」作業が入るので、決まった手順を繰り返すだけの道具では扱いにくい部分です。

ここがAIの出番です。紙やPDFを読み取って、決まった項目の表に並べる作業は、AIに向いています。ただし、読み間違いは起きます。金額や数量のように間違うと困る項目は、人が元の資料と見比べて確かめる手順を残します。任せていい範囲の線引きは、AIに任せていい仕事の見分け方|判断は新人と同じ基準でと同じ考え方です。

知っておきたいのは、PDFで受け取っていれば転記が無くなるわけではない、ということです。デジタル庁のデジタルインボイス(Peppol e-invoice)についての資料でも、PDFの請求書は紙と同様に必要な情報をシステムへ手入力する必要があり、CSVでも売り手と買い手のシステムが違えば自動処理できず手入力が必要、と整理されています。電子で届くことと、打たずに済むことは別の話です。取引先とのやり取りそのものをデータでつなぐ仕組みは整いつつありますが、相手のあることなので、自社だけでは決められません。自社で決められる範囲から手をつけます。

表・CSVから別のシステムへ写す転記

銀行の明細を会計ソフトに打つ、売上の表を請求書のソフトに打つ、といった転記です。元がすでに表の形になっているなら、AIは要りません。多くの会計ソフトや請求書のソフトには、CSVの取り込みや、銀行口座との連携の機能があります。まずは、いま使っている道具に取り込みの機能がないかを確かめます。新しい道具を入れる前に、手元の道具の設定画面を見るほうが先です。

同じシステムの中での転記

同じソフトの中で、ある画面の内容を別の画面に打ち直している場合です。見積から受注、受注から請求へ、同じ内容を打ち直していることがあります。多くの業務ソフトには、前の書類から次の書類を作る機能があります。使っていないだけのことも多いので、ここもソフトの機能を先に確かめます。

残った転記の片づけ方。転記元が紙・PDFか、表・CSVか、同じシステムの中かで手段が決まり、AIが効くのは読み取りの場面
残った転記の片づけ方。転記元が紙・PDFか、表・CSVか、同じシステムの中かで手段が決まり、AIが効くのは読み取りの場面

RPAやマクロは、これらのどれでも手が届かず、しかも毎日同じ手順で繰り返す転記にだけ使います。画面の配置が変わると止まるので、止まったときに直せる人がいない会社では、かえって手間が増えることがあります。

「どの転記が消せて、どれを自動化すべきか分からない」ところから、ご相談ください。毎日の転記を思いつく範囲で書き出していただければ、やめられるもの・手元の道具で片づくもの・AIに任せるものを一緒に仕分けます。相談と見積りに費用はいただきません。

どこから手をつけるか

毎日発生している転記を1つだけ選び、「消す」を試してから「自動化」に進みます。

転記を全部書き出してから始めようとすると、書き出すだけで止まります。自分の1日を振り返って、毎日必ずやっている転記を1つ選んでください。業務を広く洗い出す必要が出てきたら、業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるの手順が使えます。

選んだ転記に3つの問いを当てます。やめられるなら、まず1週間やめてみて、困る人が出てこないかを見ます。やめられないなら、転記元の形を見て手段を選びます。

大きい会社であれば、業務システムを入れ替えて、全部の入力を1つにまとめる進め方もとれます。人手の足りない会社で、日々の仕事を回しながら同じことをするのは難しいです。1本ずつ消していけば十分です。道具を入れたことにも、自動化したことにも意味はありません。意味があるのは、毎日の転記が何本減ったかです。

今日からやること

順やること目安
1自分が毎日やっている転記を、思いつく範囲で3つ書き出す今日・10分
2それぞれ「写した先を誰が見ているか」を書く。名前が出ないものに印を付ける今日・10分
3印が付いた転記を1つ選び、1週間やめて困る人が出るかを見る1週間
4残った転記に「元を見れば済まないか」「入力する場所を1つにできないか」を当てる今週
5それでも残った転記の転記元が、紙・PDFか、表・CSVか、同じシステム内かを書く今週
6表・CSV・同じシステム内のものは、いま使っているソフトに取り込みや連携の機能がないかを確かめる来週
7紙・PDFのものは、AIで読み取らせて人が確かめる手順を1本だけ試す来週〜

よくある質問

転記作業をなくすには、RPAを入れる必要がありますか。

多くの場合、要りません。転記の中には、写す先そのものをやめられるものや、入力の入り口を1つにすれば消えるものが混ざっています。残った転記も、表やCSVが元ならソフトの取り込み機能で足りることが多いです。RPAは、それでも残り、毎日同じ手順で繰り返す転記にだけ検討します。

転記ミスを減らすには、どうすればいいですか。

ダブルチェックを増やすより、転記の回数を減らすほうが確実です。同じ情報を2か所に持つ限り、ずれは起きます。写す先をやめる、元を直接見てもらう、入力する場所を1つにする。この順で転記そのものを減らします。

紙の書類からの転記は、AIで自動化できますか。

読み取って項目ごとに並べるところは、AIに向いています。ただし読み間違いは起きるので、金額や数量など間違うと困る項目は、人が元の書類と見比べる手順を残します。最初は1種類の書類だけで試し、確かめる手間がどれくらい残るかを見てから広げます。

Excelから別のExcelへの転記を自動化したいです。

自動化の前に、その2つのExcelが両方とも要るかを確かめてください。写した先を誰も見ていない、元のExcelを見れば済む、というケースがよくあります。両方要る場合も、片方を入力の場所に決め、もう一方はそこを参照する形にすれば、写す作業は無くなります。

まとめ

転記作業の無駄は、打つ手間そのものより、同じ情報を2か所に持っていることから生まれます。だから、転記を速くする道具を探す前に、写す先ごとやめられないかを確かめます。写した先を誰が見ているか、元を見れば済まないか、入力する場所を1つにできないか。この3つの問いで消せる転記を先に抜きます。

残った転記は、転記元の形で手段を選びます。紙やPDFを読むところはAIに任せて人が確かめる。表やCSVから写すところは、手元のソフトの取り込み機能を先に見る。PDFで受け取っていても、システムが違えば手入力は残ります。意味があるのは、道具を入れたことではなく、毎日の転記が何本減ったかだけです。

ExcelをやめるべきかどうかはExcel管理から脱却する前に|やめない判断もあるに、入れた道具が使われなくなる構造はSaaSが使われない3つの理由|導入前に決める1行に、転記を含めた業務の洗い出し方は業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるに書きました。

この記事のタグ業務改善自動化AI導入

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。