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2026-10-20業務の自動化

FAX受注をやめたいとき|先に変えるのは読む側

FAX受注をやめたいとき|先に変えるのは読む側
この記事の結論

FAX受注をやめたいとき、最初に取引先へ「Web発注に移ってください」と頼むと、たいてい止まります。発注の仕方は相手が決めることだからです。

先に変えるのは受ける側です。FAXを紙で受けずに画面で受け、注文書の読み取りをAIに任せ、人は品番・数量・納期だけを確かめます。

受注入力が軽くなってから、発注の多い取引先から順に、相手にも手間の減る方法を相談します。

朝、事務所に来ると、FAXの受信トレイに注文書が何枚も溜まっている。取引先ごとに書式が違い、手書きの数字は読みにくい。それを見ながら受注の表に打ち込み、在庫を確かめ、受けたことをFAXで返す。午前中の大半がこれで終わる。「いいかげんFAXをやめたい」と思っても、取引先に言い出せずにいる。

「fax 受注 やめたい」で検索すると、受発注システムやWeb発注サービスの紹介がたくさん出てきます。この記事はその手前の話です。取引先にFAXをやめてもらう前に、受ける側で何を変えれば受注の手間が減るかを書きます。

「取引先にやめてもらう」から始めると止まる

発注の仕方を決めるのは取引先です。こちらの都合で頼んでも、相手の手間が増えるなら通りません。

FAXをやめたいと考えたとき、多くの会社が最初に思いつくのは、取引先にWeb発注やメールに移ってもらうことです。けれど、取引先にとってFAXは慣れた方法です。注文書に書いて送れば終わる。それを変えてもらうには、相手に新しい画面を覚えてもらい、IDを管理してもらう必要があります。何十社もある取引先のそれぞれに、です。

取引先から見れば、こちらの受注入力が楽になることは、自分の手間が増える理由になりません。特に、こちらが仕入れてもらう側、選んでもらう側であれば、強くは頼めません。紙で残る理由が自社の外にあるものは、ペーパーレスの中でも最も時間がかかる、とペーパーレスが進まない理由でも書きました。

もう1つ、「そのうちFAXは使えなくなるから」と待つ考え方もあります。これも当てにできません。NTT東日本・西日本の固定電話のIP網への移行後のサービス及び移行スケジュールについて(2017年10月17日)では、固定電話は2024年1月からIP網経由への切替を始め、利用者の手続きや宅内の工事は不要で、電話機等はそのまま使えると説明しています。回線が切り替わったことを理由に、取引先のFAXが一斉に止まるわけではありません。

だから順番を逆にします。取引先には何も頼まず、FAXで届いたあとの自社の流れを先に変えます。

FAX受注の手間は、届いたあとに集まっている

手間がかかっているのは、FAXが届くことではなく、届いた紙を読んで打ち込み、確かめるところです。

FAX受注の仕事を分けてみると、だいたい次の流れになっています。

  1. 受信した紙を取りに行き、取引先ごとに仕分ける
  2. 注文書を読む(取引先ごとに書式が違い、手書きもある)
  3. 受注の表やシステムに打ち込む
  4. 打ち込んだ内容を、元の紙と見比べる
  5. 在庫や納期を確かめ、受けたことを返す

このうち、取引先が関わるのは最初の「送ってくる」ところだけです。2から4は全部、自社の中で起きています。ここは取引先に頼まなくても変えられます。

自分の会社の受注がどこで時間を使っているかは、1週間だけ記録をつけると見えてきます。書き出し方は業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるのとおり、受注の仕事1つだけで構いません。

FAX受注の流れ。手間がかかる「読む・打ち込む・見比べる」は、取引先に頼まなくても自社の中で変えられる
FAX受注の流れ。手間がかかる「読む・打ち込む・見比べる」は、取引先に頼まなくても自社の中で変えられる

受ける側を変える3つの手順

紙で受けない、読み取りをAIに寄せる、人が確かめる項目を絞る。この順で進めます。

1. FAXを紙で受けず、画面で受ける

最初にやるのは、FAXを紙に印刷せず、画像やPDFとして受けることです。多くの複合機には、受信したFAXを印刷せずに共有フォルダやメールへ送る機能があります。インターネットFAXのサービスに切り替えれば、届いたFAXはPDFとしてメールや画面に届きます。取引先は今までどおりFAX番号に送るだけで、何も変わりません。

これだけでも、紙を取りに行って仕分ける手間がなくなり、注文書をなくす心配も減ります。新しい道具を探す前に、いま使っている複合機の設定画面に受信転送の項目がないかを確かめてください。

ただし、PDFで受けるようになっても、それだけでは打ち込みは減りません。デジタル庁のデジタルインボイス(Peppol e-invoice)についての資料でも、PDFの請求書は紙と同様に、必要な情報をシステムへ手入力する必要があると整理されています。注文書も同じです。画面で受けるのは、次の手順の準備です。

2. 注文書の読み取りをAIに寄せる

画像やPDFになった注文書は、AIに読ませることができます。取引先名、品番、品名、数量、納期、届け先といった決まった項目を、表の形で並べさせます。取引先ごとに書式が違っても、項目の名前を指定しておけば、どこに何が書いてあるかはAIが拾います。

最初から全部の取引先で試す必要はありません。発注が多く、書式が毎回同じ取引先1社だけで始めます。1社で1か月回してみて、読み間違いがどこで起きるかを見てから広げます。転記全体の考え方は転記作業の無駄をなくす|自動化の前に、消す転記を分けるに書きました。FAXの注文書は、その中の「紙・PDFから打つ転記」にあたります。

3. 人が確かめる項目を、間違うと困るものに絞る

AIの読み取りは、読み間違いが起きます。特に手書きの数字、かすれた文字、斜めに送られたFAXは間違えやすいところです。だから、人の確認は無くしません。そのかわり、確かめる項目を絞ります。

間違うと困るのは、たいてい品番、数量、納期、届け先です。ここだけを元の注文書と見比べます。品名や備考の細かな言い回しまで全部見直すと、自分で打ち込んでいたときと手間が変わりません。確認を重ねるより、確かめる場所を決めるほうが効くことは、ダブルチェックが意味ない理由|確認を重ねる前に入力を減らすでも書いたとおりです。

FAXはそのまま受ける側を変える3つの手順。紙で受けず画面で受け、読み取りをAIに寄せ、人は品番・数量・納期・届け先だけを確かめる
FAXはそのまま受ける側を変える3つの手順。紙で受けず画面で受け、読み取りをAIに寄せ、人は品番・数量・納期・届け先だけを確かめる

「うちのFAX受注で、どの取引先から試せばいいか」から、ご相談ください。届いている注文書を何枚か見せていただければ、AIに読ませる項目と、人が確かめる項目を一緒に決めます。

取引先に頼むのは、受注が軽くなってから

受ける側の流れが整ったら、発注の多い取引先から順に、相手の手間も減る方法を相談します。

受ける側を変えると、FAXのまま届いても受注の手間はかなり減ります。そこで初めて、取引先とのやり取りを見直すかどうかを考えます。全部の取引先をWeb発注に移す必要はありません。FAXのままで十分回っている取引先は、そのままで構いません。

相談するなら、発注の回数が多い取引先からです。そして、相手の手間が減る方法を選びます。たとえば、相手がすでにExcelで注文書を作っているなら、それを印刷してFAXするかわりに、ファイルのままメールで送ってもらうだけで、相手は印刷と送信の手間が減ります。新しいシステムを覚えてもらう必要はありません。

大きな会社のように、取引先全体に受発注システムを入れてもらうやり方は、立場の弱い中小企業にはそのまま持ち込めません。取引先ごとに事情が違い、同じ頼み方が通るとは限らないからです。相手ごとに、相手が楽になる方法を1つずつ選ぶほうが、結果的に早く進みます。

意味があるのは「FAXをやめた」ことではありません。受注の打ち込みと確認にかかっていた時間が、どれだけ減ったかです。FAXが残っていても、受注担当の午前中が空いていれば、それで目的は果たせています。

今日からやること

やること目安ポイント
1週間、FAX受注にかかった時間を、仕分け・読む・打つ・確かめる・返すに分けて記録する1週間どこに時間が集まっているかを見る
複合機の設定画面で、受信したFAXを共有フォルダやメールへ送る機能があるか確かめる15分取引先には何も伝えなくてよい
発注が多く、書式が毎回同じ取引先を1社選ぶ10分手書きが少ない取引先から
その取引先の注文書を、AIに決まった項目で表にさせてみる30分取引先名・品番・数量・納期・届け先
人が元の注文書と見比べる項目を、品番・数量・納期・届け先に絞る10分全部を見直さない
1か月後、読み間違いが起きた場所を書き出し、2社目に広げるか決める30分間違いやすい取引先は後回しでよい

よくある質問

FAX受注を自動化するには、受発注システムを入れる必要がありますか。

最初は要りません。受信したFAXを画面で受け、注文書の読み取りをAIに任せるところまでは、手元の複合機とAIで試せます。受注の件数が多く、在庫や請求までつなげたくなった段階で、システムを検討すれば十分です。

手書きの注文書でも、AIで読み取れますか。

読み取れることは多いですが、読み間違いは起きます。手書きの数字やかすれた文字は特に間違えやすいので、品番や数量など間違うと困る項目は、人が元の注文書と見比べます。最初は手書きの少ない取引先から試し、慣れてから手書きの多い取引先に広げます。

受注入力のミスを減らすには、どうすればいいですか。

打ち込む回数そのものを減らすのが先です。人が注文書を見て打ち込む限り、ミスはゼロになりません。読み取りをAIに寄せ、人は間違うと困る項目だけを確かめる形にすると、確かめる場所がはっきりして見落としが減ります。

取引先にFAXをやめてほしいと、どう伝えればいいですか。

こちらの都合ではなく、相手の手間が減る方法として伝えます。相手がExcelで注文書を作っているなら、印刷してFAXする代わりにファイルのまま送ってもらう、といった形です。発注の多い取引先から1社ずつ相談し、FAXのままで困っていない取引先は無理に変えません。

まとめ

FAX受注をやめたいとき、最初に取引先へWeb発注を頼むと、たいてい止まります。発注の仕方は相手が決めることで、相手の手間が増える頼みは通りにくいからです。

先に変えるのは受ける側です。FAXを紙で受けずに画面で受け、注文書の読み取りをAIに任せ、人は品番・数量・納期・届け先だけを確かめます。まずは1社から始め、読み間違いの起きる場所を見てから広げます。

取引先に相談するのは、受注が軽くなってからです。発注の多い取引先から、相手の手間も減る方法を1つずつ選びます。FAXが残っていても、受注の打ち込みと確認の時間が減っていれば、それで十分です。

この記事のタグ業務改善自動化生成AI

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。