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2026-10-12導入と定着

シフト作成に時間がかかる理由|先に揃えるのは希望の集め方

シフト作成に時間がかかる理由|先に揃えるのは希望の集め方
この記事の結論

シフト作成に時間がかかるのは、組み合わせを考える作業より、LINE・紙・口頭に散らばった希望を集めて表に写し、抜けを聞き返す作業が長いからです。

希望の出し方がばらばらなままアプリやAIを入れても、入力の手前で同じ手間が残ります。

先に決めるのは、希望を出す場所を1つにすること、締切、確定したシフトを伝える日と方法の3つです。

月末が近づくと、店長の机にはメモが増えます。LINEで届いた「15日と22日休みたいです」、休憩室の紙に書かれた丸とバツ、閉店後に口頭で言われた「来月は土曜も入れます」。それを1つずつ表に写し、書き忘れた人に連絡し、返事を待ちます。ようやく組み始めたころには締切を過ぎていて、確定した後にも「やっぱりこの日は無理です」が届きます。

「シフト作成 時間 かかる」で検索すると、シフト管理アプリの比較や、組み方のコツが多く出てきます。この記事では、その手前の話をします。時間を食っているのは、組む作業より希望を集める作業だという見立てと、アプリやAIに任せる前に揃えておく順番です。

シフト作成の時間は、組むより集める作業に消えている

シフト作成は「集める・写す・確かめる・組む・伝える・直す」に分かれます。人が頭を使うのは「組む」だけで、残りは希望の出し方が揃っていないために生まれる作業です。

月のシフトができあがるまでの流れを分けると、次のようになります。

  1. 集める:スタッフから出勤できる日・できない日を聞く
  2. 写す:LINE・紙・口頭で届いた希望を、1枚の表に書き写す
  3. 確かめる:出していない人、読み取れない希望を聞き返す
  4. 組む:人数と経験のバランスを見て、日ごとに割り当てる
  5. 伝える:確定したシフトを全員に知らせる
  6. 直す:確定後の「この日は無理です」に合わせて組み直す

店長が「シフト作成が大変」と言うとき、思い浮かべているのは4番目の「組む」ことが多いはずです。ところが実際に時間を測ってみると、2番目と3番目、そして6番目に時間が取られていることがよくあります。写す作業と聞き返す作業は、希望が1か所に、同じ形で集まっていれば、ほとんど要りません。

転記作業の無駄をなくす|自動化の前に、消す転記を分けるで、自動化する前に「そもそも要らない転記」を消すと書きました。シフトの希望を写す作業は、その典型です。

希望の出し方がばらばらだと、手間が3か所で増える

入口が複数あると、写す手間・聞き返す手間・確定後に直す手間の3つが同時に増えます。どれも組む腕前とは関係がありません。

写す手間が増える

LINEで来た希望は文章、紙の希望は丸とバツ、口頭の希望は店長の記憶です。形が違うので、1枚の表に揃えるには人が読んで書き写すしかありません。しかも、写した後に元のLINEを見返して確かめる作業までついてきます。

抜けと聞き返しが増える

入口が複数あると、「出したつもり」と「受け取っていない」がずれます。紙に書いたスタッフはLINEで送ったつもりがなく、店長はLINEだけを見ています。誰が出していないかを確かめるために、全員分の入口を見て回ることになります。

確定した後の直しが増える

締切がはっきりしないと、希望は組み終わった後にも届きます。確定したシフトをいつ、どこで伝えるかが決まっていないと、スタッフは確定に気づかず、勤務日の直前に「その日は無理です」と言ってきます。組み直しは、最初に組むより手間がかかります。

厚生労働省が2023年3月にまとめた「シフト制の円滑な運用のための取組事例」には、働く人の不満として「シフトの決まる日が遅れることが多い」「予定がある日にシフトが入れられてしまう」といった声が並んでいます。希望の集め方と伝え方が揃っていないと、店長だけでなくスタッフ側にも負担が出ています(厚生労働省「シフト制の円滑な運用のための取組事例」)。

先に決めるのは「出す場所」「締切」「伝える日」

アプリを選ぶ前に、希望を出す場所を1つにし、締切を決め、確定したシフトを伝える日と方法を決めます。これだけで写す・聞き返す・直すの3つが減ります。

厚生労働省の「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」(令和4年1月7日、令和8年6月19日改正)は、シフト作成に関するルールとして、シフト表の作成に当たって事前に働く人の意見を聞くことや、確定したシフト表を通知する期限や方法を、あらかじめ話し合って定めておくことが考えられる、としています。確定したシフトを変える場合の期限や手続も、同じように決めておくことが望ましいとされています(厚生労働省「いわゆる『シフト制』について」)。

もともとは働く人とのトラブルを防ぐための考え方ですが、決めておくと店長の作業も減ります。決めることを3つに絞ると、次の表になります。

決めること例減る作業
希望を出す場所は1つLINEの専用グループの決まった投稿か、共有の表のどちらか1つだけ。口頭で言われたら、その場で本人に入れてもらう写す・聞き返す
締切前月の15日まで。締切後の希望は、空いている枠にだけ入れる聞き返す・直す
確定を伝える日と方法前月の25日に、全員が見られる場所に出す。変えたいときの連絡先と期限も一緒に書く直す

取組事例には、スタッフがパソコンやスマホから希望日を申請できるようにしたところ、予定のある日にシフトが入ることが減り、シフト表のできあがる時期も早まった、という企業の例が載っています。アプリが効いたというより、希望の入口が1つになった効果が大きいと考えてよいはずです。同じ資料は、SNSやメールでシフトを共有するときは、後から書き換えられないよう写真など加工できない形で送ることも勧めています。

毎月ぜんぶ聞かない

もう1つ効くのは、聞く量を減らすことです。毎月「出られる日を全部書いてください」と聞くと、集める量も写す量も最大になります。「基本は毎週月・水・金」のように一人ひとりの基本の形を先に決めておき、毎月は基本と違う日だけを出してもらう形にすれば、集まる希望はずっと少なくなります。前述の留意事項も、勤務する可能性のある曜日や、目安となる日数をあらかじめ取り決めておくことが望まれる、としています。

大きなチェーンなら、本部がシフトの仕組みを決め、専任の担当者が回せます。人手の足りない店に同じやり方は持ち込めません。店長が営業の合間に組むなら、仕組みを増やすより、集まってくる情報の形を揃えるほうが先です。どこまで基本の形で決められるかは、店ごとに違って構いません。

「うちの店だと、希望をどこに集めれば回るのか」から、ご相談ください。いまの希望の集まり方を一緒に書き出し、入口を1つにするところから始めます。

アプリやAIに任せるのは、入口が揃ってから

シフトアプリもAIも、希望が1か所に同じ形で集まってから入れます。入口がばらばらなまま入れると、アプリに写す作業が1つ増えるだけです。

シフト管理アプリには、希望の回収から自動の割り当てまでできるものがあります。ただ、スタッフの半分がアプリで出し、残りがLINEで出す状態だと、店長はLINEの分をアプリに打ち込むことになります。アプリを入れて手間が増えた、という話の多くはここで起きています。入口を1つにする決めごとが先にあれば、アプリはその入口になれます。

生成AIを使うなら、まずは「写す」作業の肩代わりに向いています。LINEに届いた希望の文章をまとめて渡し、「名前・日付・出勤できるか」の表に直させれば、書き写す時間は減ります。組み合わせの案を出させることもできますが、誰と誰を同じ日に入れるか、新人に誰を付けるかといった判断は、店の事情を知っている人が見て決めます。スタッフの名前や予定を社外のAIサービスに渡す場合は、渡してよい情報の範囲を先に決めておいてください。

表計算で管理しているなら、無理にやめる必要もありません。入口と締切が揃えば、表計算のままでも回る店は多いはずです。やめるかどうかの判断はExcel管理から脱却する前に|やめない判断もあるに書きました。

今日からやること

やること目安ポイント
先月、希望がどこから届いたかを書き出す15分LINE・紙・口頭・電話など、入口がいくつあったかを数える
希望を出す場所を1つに決める10分いちばん多く使われていた入口に寄せると移りやすい
締切と、確定を伝える日を決めて全員に伝える10分例:前月15日締切、25日に確定を出す
一人ひとりの基本の形を聞いておく来月の回収時次からは基本と違う日だけを出してもらう
翌月、写す・聞き返す・直すにかかった時間を比べる1か月後減っていなければ、どの入口が残っているかを見る

最初からアプリやAIを選ばなくて構いません。入口を1つにして締切を決める、の2つから始めれば十分です。

よくある質問

シフト作成アプリを入れれば時間は減りますか。

希望の入口がアプリ1つに揃えば減ります。LINEや口頭で出す人が残っていると、その分を店長がアプリに打ち込むことになり、かえって手間が増えることがあります。アプリを選ぶ前に、希望を出す場所を1つにすると決めておいてください。

シフト作成をAIに任せられますか。

LINEなどに届いた希望を表に直す作業や、組み合わせの案を出す作業は任せられます。誰を同じ日に入れるか、新人に誰を付けるかといった判断は、店の事情を知っている人が見て決めます。スタッフの名前や予定を社外のサービスに渡すときは、渡してよい範囲を先に決めておきます。

締切を過ぎてから希望を出すスタッフにはどうすればいいですか。

締切後の希望は、空いている枠にだけ入れる、と先に伝えておきます。締切を守った人の希望が後から崩れないことを優先すると、締切は守られやすくなります。

確定したシフトを店側の都合で変えてもいいですか。

確定したシフトの労働日や労働時間を変えることは、基本的に労働条件の変更にあたるため、働く人の合意を得て行うよう厚生労働省は示しています。変える場合の期限や連絡の手順を、先に決めておくと揉めにくくなります。

まとめ

シフト作成に時間がかかるのは、組み合わせを考える作業より、ばらばらに届く希望を集めて写し、抜けを聞き返し、確定後に組み直す作業が長いからです。

アプリやAIを選ぶ前に、希望を出す場所を1つにする、締切を決める、確定を伝える日と方法を決める、の3つを揃えます。毎月ぜんぶ聞かずに、基本と違う日だけを出してもらう形にできれば、集まる量そのものが減ります。

「シフトアプリを入れた」ことに意味はありません。店長が希望を写し、聞き返し、組み直す時間がどれだけ減ったかを見てください。

自動化の前に消す作業の分け方は転記作業の無駄をなくす|自動化の前に、消す転記を分けるに、表計算をやめるかどうかの判断はExcel管理から脱却する前に|やめない判断もあるに、どの仕事から手をつけるかの洗い出し方は業務棚卸のやり方|全部書き出さないで済ませるに書きました。

この記事のタグ業務改善自動化定着

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。