Teamsが使いにくいと言われたら|チャネルの分け方
Teamsが使いにくいと言われる多くの場合、原因は操作より「チャットとチャネルのどちらに何を書くか」が決まっていないことです。
Teamsでは、チャットで送ったファイルは送った人のOneDriveに、チャネルに上げたファイルはチームのSharePointに保存されます。置き場所が散らばると、探せない道具になります。
乗り換える前に、用件ごとに「チャネルに書く」「チャットで済ませる」を決め、1つのチャネルから始めます。
Microsoft 365 を入れたら、Teamsも一緒に付いてきた。せっかくなので社内の連絡に使い始めたものの、しばらくすると「Teamsは使いにくい」という声が出てくる。前に送ったファイルが見つからない。同じ話がチャットとチャネルの両方で進んでいる。結局、大事な連絡はメールで送られ、「Slackのほうが使いやすいらしい」と乗り換えの話まで出始める。
この記事は、Teamsの機能紹介や他のツールとの比較ではありません。Teamsが使いにくく感じる原因がどこにあるかと、乗り換えを考える前に何を決めるかを書きます。
Teamsが使いにくい原因は、書く場所が二つあること
Teamsには「チャット」と「チャネル」という二つの書く場所があり、どちらに何を書くかが決まっていないことが、使いにくさの一番の原因です。
Teamsで文字のやりとりができる場所は、大きく二つに分かれます。
- チャット:相手を選んで送る、1対1または少人数のグループでのやりとり
- チャネル:チームの中に作る、話題ごとの場所。チームのメンバーが見られる
スマホのLINEに慣れている人は、相手を選んで送るチャットを自然に使います。一方、チャネルは「チーム」を作って、その中に話題ごとの場所を用意してはじめて使えます。どちらを使うかが決まっていないと、同じ案件の話がチャットとチャネルに分かれて進み、後から経緯を追えなくなります。
これが「Teamsは使いにくい」「探しても見つからない」と言われる正体です。操作が難しいのではなく、同じ話が二つの場所に散らばるのです。
ファイルの置き場所も、二つに分かれる
散らばるのはメッセージだけではありません。Microsoftの公式サポート「Microsoft Teams のファイル ストレージ」によると、チャネルにアップロードしたファイルはチームの SharePoint フォルダーに保存されます。これに対して、1対1やグループのチャットでアップロードしたファイルは、送った人の OneDrive for Business の「Microsoft Teams Chat Files」フォルダーに保存され、会話の相手とのみ共有されます。
つまり、チャットで送ったファイルは、送った人の持ち物として残ります。会話に入っていない人からは見えません。担当が替わったときや、同じ資料を別の人が探すときに、「誰かのチャットのどこかにあったはず」という状態になります。ファイルが見つからない悩みそのものは、ファイルを探す時間が減らない会社へに書きました。Teamsでは、その上に「置き場所が二つある」という事情が加わります。
まず、どちらで話されているかを確かめる
感覚で決めつけず、Microsoft 365 管理センターのユーザーアクティビティレポートで、チャネルとチャットのどちらにメッセージが送られているかを見ます。
立て直す前に、Teamsが本当に使われていないのか、使われ方が偏っているだけなのかを確かめます。Microsoft Learn の「Microsoft Teams ユーザー アクティビティ レポート」によると、このレポートは Microsoft 365 管理センターの「レポート」から「使用状況」を選び、Microsoft Teams のレポートの「ユーザー アクティビティ」タブで開けます。見られる期間は、過去7日間、30日間、90日間、180日間から選べます。
見るのは二つの列です。
- チャネル メッセージ:その期間にユーザーがチームのチャネルに投稿したメッセージの数。元の投稿と返信を含みます
- チャットのメッセージ:その期間にユーザーがプライベートなチャットに投稿したメッセージの数
チャットの数ばかりが多く、チャネルの数がほとんど無ければ、Teamsは「会社で使うLINE」として使われています。やりとりは当事者にしか見えず、経緯もファイルも人ごとに散らばっている状態です。逆にチャネルがそれなりに使われているなら、使いにくさの原因はチャネルの作りすぎや、名前の分かりにくさのほうにあるかもしれません。
レポートを見るには管理者の権限が要ります。社内にIT担当がいない場合は、Microsoft 365 の契約を管理している人に頼んで開いてもらってください。
用件ごとに「チャネルに書く」「チャットで済ませる」を決める
ツールを替える前に、用件ごとにどちらに書くかを決めます。決めるのは全部ではなく、まず一つです。
使いにくさの原因が「どちらに書くか決まっていない」ことなら、Slackに乗り換えても同じことが起きます。Slackにもチャンネルとダイレクトメッセージがあり、決めないまま使えば、同じように個人どうしのやりとりに偏ります。Slackで同じことが起きる話は、Slackが定着しない理由に書きました。
分け方の目安は、後から誰かが見返すかどうかです。
- チャネルに書く:案件の進み具合、部署への依頼、取り決めや手順、資料のやりとり。担当が替わっても、ほかの人が経緯を追える必要があるもの
- チャットで済ませる:「今日の会議、5分遅れます」のような、その場で終わる短い連絡。後から誰も見返さないもの
大事なのは、チャネルに書くと決めた用件は、チャットで来ても受けないことです。たとえば「総務への備品の依頼は、総務のチャネルにだけ書く」と決めたら、チャットで依頼が来たときは、受けた人がチャネルに書き直してから対応します。依頼する人には、チャネルを開く理由ができます。
チャネルを作りすぎない
Microsoft Learn の「Teams と SharePoint の統合の概要」によると、チャネルには標準・プライベート・共有の3種類があり、プライベートチャネルと共有チャネルは、作るたびにそれぞれ独自の SharePoint サイトが作られます。標準チャネルのファイルは、チームの SharePoint サイトの中に、チャネルごとのフォルダーとして置かれます。
チャネルを細かく分けるほど、ファイルの置き場所も細かく分かれます。最初は標準チャネルだけで始め、本当に一部の人だけで話す必要が出てきたときに、プライベートチャネルを検討します。
大きい会社の設計は、そのまま持ち込まない
大きな会社では、部署ごと・案件ごとにチームとチャネルの体系を先に作り込む進め方もあります。人の足りない会社では、それを作っている間に、現場はメールとチャットで仕事を回し続けます。設計図が完成したころには、誰もチャネルを開かなくなっています。
一度に移すのは一つの用件だけにします。その用件がチャネルだけで1か月回ったら、次の用件に進みます。
「うちのTeams、どの用件からチャネルに移せばいいか」から、ご相談ください。今の連絡とファイルの流れを一緒に見て、最初に移す用件と、チャットで済ませてよいものを決めるところから始めます。
それでも乗り換えるなら、決めてから
乗り換えるかどうかは、置き場所のルールを決めて試したあとに判断します。
用件を一つ決めてチャネルで回してみても、どうしても合わない場合はあります。社外の取引先とのやりとりが中心で、相手がTeamsを使っていない場合などです。そのときは乗り換えも選択肢になります。
ただし、ツールを増やす形の乗り換えは避けます。TeamsもSlackもメールも、全部が並んで残るのが一番使いにくい状態です。ツールが増えすぎたときの片づけ方は、社内ツールが乱立したときの片づけ方に書きました。数を減らす前に、どの用件をどこに置くかを決めるのが先です。
今日からやること
| やること | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 管理センターでユーザーアクティビティレポートを開く | 15分 | 管理者の権限が要る。IT担当がいなければ契約の管理者に頼む |
| 「チャネル メッセージ」と「チャットのメッセージ」を見比べる | 10分 | チャットばかりなら、チャネルが機能していない |
| チャネルに移す用件を1つだけ決める | 30分 | 依頼や案件など、後から誰かが見返すものにする |
| その用件の標準チャネルを作り、名前で用途が分かるようにする | 15分 | プライベートチャネルは必要になってから |
| その用件はチャネルでしか受けないと全員に伝える | 15分 | チャットで来たら、受けた人がチャネルに書き直す |
| 資料はチャットではなくチャネルに上げると決める | 10分 | チャットのファイルは送った人の OneDrive に残る |
| 1か月後、その用件がチャネルだけで回っているかを確かめる | 15分 | 回っていれば次の用件へ。合わなければ乗り換えを検討 |
よくある質問
Teamsのチャットで送ったファイルは、どこに保存されますか。
送った人の OneDrive for Business の「Microsoft Teams Chat Files」フォルダーに保存され、会話の相手とだけ共有されます。チャネルに上げたファイルは、チームの SharePoint に保存されます。後からほかの人も使う資料は、チャネルに上げておくと探しやすくなります。
Teamsのチャットが使いにくいのですが、チャネルだけで運用できますか。
チャネルだけに寄せる必要はありません。その場で終わる短い連絡まで全部チャネルに書くと、今度はチャネルが流れて読まれなくなります。後から見返すものはチャネル、その場で終わるものはチャット、と分けるほうが続きます。
Slackのほうが使いやすいと聞きます。乗り換えたほうがいいですか。
どちらに何を書くかが決まっていなければ、乗り換えても同じことが起きます。乗り換えを考える前に、今のTeamsで一つの用件をチャネルだけで回してみてください。それでも合わない理由がはっきりしたら、乗り換えを判断します。
まとめ
Teamsが使いにくいと言われる原因は、操作の難しさより、チャットとチャネルという二つの書く場所の使い分けが決まっていないことにあります。メッセージだけでなく、ファイルもチャットなら送った人の OneDrive、チャネルならチームの SharePoint と、別々の場所に保存されます。
まずユーザーアクティビティレポートで、チャネルとチャットのどちらでメッセージが送られているかを確かめます。そのうえで、後から見返す用件を一つだけ選び、その用件はチャネルでしか受けないと決めます。
見るべきは、Teamsのアカウントが何人分あるかではなく、チャネルだけで回っている用件がいくつあるかです。一つ回れば、乗り換えるべきかどうかも、その時点で判断できます。
どこから手をつけるか分からない場合は、ご相談ください。いまのやり方を伺うところから始めます。ご相談とお見積りに費用はいただきません。
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