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2026-10-28導入と定着

RPAが使えない|止まるロボットを残すか、やめるか決める順番

RPAが使えない|止まるロボットを残すか、やめるか決める順番
この記事の結論

RPAが使えないのは、ツールが悪いからでも、担当者の腕が足りないからでもありません。ロボットは画面の部品を目印に動くので、画面が変わると止まります。そして、作った人と止まって困る人が違います。

まず今あるロボットを1本ずつ書き出し、止まったときに誰が気づき、誰が直すかを確かめます。

直す人がいないロボットはやめ、残すロボットだけを止まっても困らない形に直します。

数年前にRPAを入れた。最初は、毎朝の受注データの取り込みや、請求書の転記がロボットで回るようになって、みんな喜んだ。ところが、ある朝ロボットが止まっていた。原因を調べると、使っている業務システムの画面が更新で少し変わっていた。作った担当者はもう別の部署にいて、直し方が分からない。結局、その作業はまた手でやっている。残っているのは、毎年の利用料と、誰も中身を知らないロボットだけです。

この記事は、RPAツールの比較や、新しいツールへの乗り換えの話ではありません。今あるロボットがなぜ止まるのかと、残すか、やめるかをどう決めるかを書きます。

RPAが止まるのは、ロボットが画面を目印に動いているから

ロボットは、人と同じように画面の部品を探して押しています。画面が変われば、目印を見失って止まります。

RPAは「人がパソコンでやっている操作を、そのまま覚えて繰り返す」道具です。Microsoftの公式ドキュメント「デスクトップ フローの概要」には、Power Automate のデスクトップ フローは、アプリケーションの UI 要素、画像、または座標を使ってコンピューターと対話できると書かれています。つまり、ボタンや入力欄といった画面の部品、画面の見た目、画面上の位置を手がかりに操作しています。

画面の部品には「セレクター」という目印が付いている

もう少し詳しく見ると、ロボットは画面の部品を「セレクター」という目印で探しています。Microsoftの「UI 要素を使用して自動化する」によると、セレクターは、画面の部品の階層と、その部品を他と区別する属性でできています。

人なら、ボタンの位置が少しずれても迷わず押せます。ロボットは、覚えた目印と合わなくなった時点で、その部品を見つけられません。業務システムやブラウザの更新など、人には気にならない変化で止まります。これは特定の製品の欠点ではなく、画面を操作する仕組みの性質です。

ロボットは画面の部品を目印に動きます。画面が少し変わって目印と合わなくなると、そこで止まります。
ロボットは画面の部品を目印に動きます。画面が少し変わって目印と合わなくなると、そこで止まります。

作った人と、止まって困る人が違う

止まること自体より厄介なのは、直す人がいないことです。

ロボットを作るのは、RPAに詳しい一人の担当者か、導入を手伝った外部の会社です。一方、ロボットが止まって困るのは、その作業を毎日やっていた現場の人です。現場の人は、ロボットの中身を知りません。作った人は、もう別の仕事をしています。

ロボットが動いている間、得をしているのは現場です。でも、止まったときの面倒は、作った人に戻ります。作った人にとっては、作り終えたロボットの手入れは、本業の外にある仕事です。ここが噛み合わないので、止まるたびに「とりあえず手でやる」が増えていきます。

止まったことに、誰も気づかないこともある

もう一つ危ないのは、止まったことが分からない場合です。ロボットが途中で止まり、半分だけ取り込まれたデータが残る。翌日の集計で数字が合わず、初めて気づく。こうなると、ロボットがある分だけ確認の手間が増えます。

まず、今あるロボットを1本ずつ書き出す

「RPAが使えない」と全体で判断する前に、ロボットを1本ずつ見ます。使えるロボットと使えないロボットは、たいてい混ざっています。

社内のRPAが「使えない」と言われるとき、全部のロボットが止まっているわけではありません。毎日問題なく動いているものと、止まってばかりのものが混ざっています。全体で「RPAはやめよう」と決める前に、1本ずつ分けます。

書き出すのは、次の五つです。

業務の棚卸しのやり方は、業務棚卸のやり方に書きました。ロボットの棚卸しも同じ考え方で、一覧にするだけで判断がつくことが多くあります。

三つに分ける

書き出したら、ロボットを三つに分けます。

今あるロボットを1本ずつ書き出し、残す・直してから残す・やめるの三つに分けます。
今あるロボットを1本ずつ書き出し、残す・直してから残す・やめるの三つに分けます。

「やめる」が出ても失敗ではありません。止まるたびに手でやり直すより、現場は楽になります。

残すロボットは「止まっても困らない形」に直す

止まらないロボットは作れません。止まったときに、すぐ気づいて、すぐ戻せる形にします。

残すと決めたロボットには、次の三つを足します。

目印を一つに頼らない

Power Automate では、一つの画面の部品に複数のセレクターを作れます。Microsoftの「UI 要素を使用して自動化する」によると、セレクターが失敗するたびに、定義された順序で次のセレクターが使われます。また、部品に書かれた文字をもとにしたセレクター(テキストに基づくキャプチャ)は、画面の構造が将来変わっても対応しやすいと説明されています。

よく止まるロボットは、目印の付け方を見直すだけで止まりにくくなることがあります。これは作った人か外部の会社に頼む作業で、現場の人が覚える必要はありません。

止まったら知らせが届くようにする

止まったことに気づかないのが一番危ない状態です。ロボットが止まったら、決めた人にメールかチャットで知らせが届くようにします。知らせを受ける人は、ロボットを直せる人でなくてかまいません。「今日はロボットが止まったので手でやる」と判断できる人であれば足ります。

手でやる手順を残しておく

ロボットが止まった日に、その作業を手でやる手順を1枚にしておきます。ロボットに任せている間に、手でのやり方を誰も覚えていない状態になりがちです。手順が残っていれば、止まった日も仕事は止まりません。マクロについて同じことを書いたのが、Excelマクロが属人化したらです。ロボットも、中身を言葉にして残す点は同じです。

大きい会社のやり方は持ち込まない

大きな会社では、RPAの推進チームを置き、ロボットを全社で管理する仕組みを作る進め方もあります。人の足りない会社で、それをそのまま真似ることはできません。兼務の管理担当を置いても、本業に押されて止まります。

先に決めるのは、残すロボット1本ごとに「止まったら誰に知らせが届き、その日は誰が手でやるか」です。それだけ決まっていれば、管理の仕組みが無くても回ります。

「うちのロボット、残すべきかやめるべきか」から、ご相談ください。今あるロボットの一覧を一緒に見て、残すもの、直すもの、やめるものを分けるところから始めます。

やめたあとの作業は、RPAでなくてよいことが多い

ロボットをやめた作業は、そもそも要るのか、取り込み機能で足りないかを先に確かめます。

ロボットをやめると決めた作業を、別のRPAツールで作り直す前に、一度立ち止まってください。RPAで画面を操作していた作業の中には、システムのCSV取り込みや、Excelの更新機能で済むものが混ざっています。画面を操作しなければ、画面が変わって止まることもありません。

写す先そのものをやめられる転記も多くあります。転記を消す順番は転記作業の無駄をなくすに、毎月の同じ作業を減らす順番は毎月同じExcel作業を減らすに書きました。「RPAを入れた」「ロボットが何本ある」は、それだけでは何も意味しません。意味を持つのは、手でやる作業が何本減ったかだけです。

今日からやること

やること目安ポイント
社内で動いているロボットを全部書き出す30分RPAツールの一覧画面から拾う
1本ずつ、何をしているかと、誰が作ったかを書く1本5分作った人に連絡がつくかも書く
1本ずつ、止まったら誰が気づき、誰が直すかを書く1本5分空欄になるロボットが要注意
残す・直してから残す・やめる、の三つに分ける20分全体で判断せず1本ずつ
残すロボットに、止まったときの知らせ先を決める1本10分直せる人でなくてよい
残すロボットの作業を、手でやる手順として1枚にする1本30分止まった日に使う
よく止まるロボットは、目印の付け方の見直しを作った人に頼む依頼のみ現場の人が覚える必要はない
やめたロボットの作業が、取り込み機能で済まないか確かめる1本15分別のRPAで作り直す前に

よくある質問

RPAは中小企業では使えないのですか。

使えないわけではありません。毎日同じ手順で動き、止まったときに気づく人と直す人が決まっているロボットは、中小企業でも続きます。止まって使えなくなるのは、画面が変わったときに直す人がいないロボットです。会社の規模より、ロボット1本ごとの面倒を見る人がいるかで決まります。

RPAを使いこなせないのは、担当者のスキル不足ですか。

担当者一人のスキルの問題にしないほうがよいです。ロボットは画面が変わると止まる仕組みなので、どれだけ詳しい人が作っても止まることはあります。問題は、作った人しか直せず、その人の本業の外に手入れが置かれていることです。現場の全員がRPAに詳しくなる必要はありません。AIやツールに詳しくなる必要が無い理由は、AIを使いこなせない|詳しくなる必要はないに書きました。

止まってばかりのRPAは、やめてもいいですか。

やめてかまいません。止まるたびに手でやり直しているなら、ロボットがある分だけ確認の手間が増えています。やめる前に、そのロボットが何をしていたかを書き残し、その作業を手でやる手順を一つにしておいてください。やめたあとは、作業そのものが要るのか、取り込み機能で済まないかを先に確かめます。

RPAツールを別の製品に替えれば止まらなくなりますか。

画面を操作する以上、どの製品でも画面が変われば止まる可能性があります。製品を替える前に、止まったときに誰が気づき、誰が直すかを決めてください。それが決まらないまま替えても、同じ止まり方を繰り返します。

まとめ

RPAが使えないのは、ツールが悪いからでも、担当者の腕が足りないからでもありません。ロボットは画面の部品を目印に動くので、画面が変われば止まります。そして、作った人と止まって困る人が違うので、止まったロボットが直されないまま残ります。

まず、今あるロボットを1本ずつ書き出し、止まったときに誰が気づき、誰が直すかを確かめます。そのうえで、残す、直してから残す、やめる、に分けます。残すロボットには、目印を一つに頼らない作り方、止まったときの知らせ、手でやる手順を足します。

ロボットの本数は、何も意味しません。見るべきは、手でやる作業が何本減ったかです。

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この記事を書いた人
清水 飛鳥株式会社Raven 代表

中小企業と個人事業主の業務を、その会社に合った形で仕組みに変える会社を経営しています。

本記事はAIを用いて作成し、公開前に内容を確認しています。